このまちの未来について、風間しげきが思うことを綴っていきます。皆様のお声もぜひ、お聞かせください。
BayPRESS 889号 /2020年04月25日発行
桜ヶ丘病院が市に対し「市立清水病院への統合を打診」「計画白紙の可能性も」。5月22日中日新聞が報じた。「JCHO側は市のこれまでの対応に不満を抱えており、回答次第では移転新築が白紙に戻る可能性もある」。
記事によると、病院側からは「現在199床ある病院の規模を縮小。入院機能の多くを清水病院に委ね、新病院は外来と救急対応に絞る案などが示されている」という。
市は同病院を現庁舎の場所に誘致することによって、利便性が向上し周辺も賑わうとした。規模が縮小されれば計画の根本的な検証は必至だ。
病院側の不満は否定できない。移転の前提として市に求めた医師確保への協力や、現清水庁舎の基礎杭を撤去するための費用、最大約32億円の扱いについても誠実な対応をしてきたとは言い難い。
清水庁舎の移転も、未だに市民の理解が得らていない。コロナ対策で市財政は一層厳しさを増す。このまま、一連の計画を続行すれば市民の不満はさらに高まっていく。白紙に戻すべきだと思う。
現清水庁舎は継続して使用。桜ヶ丘病院については、現在地での補強、建て替え案に全面的に協力する方が、はるかに現実的だ。
BayPRESS 889号 /2020年04月25日発行
ジャーナリストでもある主人公が、ある日、国防総省に呼ばれた。「数多くの戦争に参加したが、我が国は一向に良くならない。どうしたものか」と相談を受ける。
そこで、主人公は兵士を休ませ、その代わりに自分が世界各国を侵略し、その国の宝物を奪ってくる事を提案した。2015年に制作された映画「マイケル・ムーアの世界侵略のススメ」。
スロヴェニアでは教育は国益との認識で、大学まで学費が無料だった。フランスの公立学校の給食はレストラン並みで、シェフがフルコースで昼食を提供していた。
また、アイスランドでは、女性の能力を活用することで社会全体が良くなるという認識が定着していた。そして、ドイツでは仕事のストレスを軽減するため、社員のプライベートに仕事を持ち込むことを規制する厳しい法律があった…。
4月26日は衆議院議員補欠選挙の投票日。候補者からは、コロナウイルス感染拡大支援や地元の経済活性化策について力強い政策が聞かれた。
いずれも大事な問題だが、国会議員となったからには、視野を広く世界に向け、この国の姿を変えていく大きな政策にも、全力で取り組んでいただきたい。
BayPRESS 888号 /2020年04月11日発行
自宅の近所に流れる大沢川は桜の名所として知られています。川面を花びらが連なって流れる姿は何とも風流、花筏(はないかだ)という言葉がぴったり。毎年、多くの花見客でにぎわう周辺ですが、今年は例年に比べ人通りも少なく、とても寂しく感じます。
約二百本のソメイヨシノは「次世代のために」と昭和45年ごろから地元自治会によって段階的に植樹され、樹齢は長いもので約50年とのこと。
約半世紀、世界では様々なことが起こっています。感染症ではエボラ出血熱やエイズ、新型コロナウィルスはまだ収束の目途が立っていません。
一方、経済界ではブラックマンデーやサブプライム、リーマンショック。コロナ経済危機はそれ以上と予測する声も高まっています。
大沢川の桜並木は、こうした世情を年輪に刻みながら、今年も何もなかったように美しい花を咲かせていました。
冬の厳しい寒さに耐えてこそ美しい桜が咲くように、私たちも多くの事を学びながら、より力強く、そして美しく成長して行かなければ。 不安な気持ちはみんな同じ、来春は清々しい気持ちで、一緒に花見に出かけましょう。「がんばろう清水!」
BayPRESS 887号 /2020年03月28日発行
新型コロナウィルスの脅威は二つ。一つはウィルスの「飛沫感染」。もう一つは人が生みだす“経口感染”だと思う。
静岡市によると「一例目の濃厚接触者である患者家族の PCR 検査の結果、陰性であることを確認。二例目の患者に関しては各交通機関・施設について消毒対応済。スーパーについては映像等で患者の毎回のマスク着用、会話が無かったことを確認。医療機関受診後に立ち寄った薬局では短時間の滞在と双方のマスク着用を確認。それぞれ濃厚接触者はいないと判断した」としている。感染拡大の可能性は低いとの判断だ。
一方、人が生み出す脅威は「ウィルスが存在しない“経口感染”」とも言える。
感染者はどこのだれか。勤務先は、家族構成は、買い物はどこで…。自分や家族を守りたい気持ちは理解できる。
だからと言って、確証のないウワサ話や、個人のプライバシーに関する話が口から口へと伝わっていくのは怖い。時には人の社会的生命を奪ってしまうことさえある。患者も好んで罹患したわけではない。家族の心情はどうだろう。
やがて抗ウィルス剤が開発される。感染防止に努めながらも、人を思いやる優しい「まち」であり続けて欲しい。
BayPRESS 886号 /2020年03月14日発行
『休校中のミラノのヴォルタ高校のスクィラーチェ校長が、同校のHPで生徒たちへ送ったメッセージが話題になっている』。ローマ在住35年の書籍翻訳家、上野真弓さんがブログの中で翻訳し取り上げた。
校長は『マンゾーニの名著 “許嫁”に書かれたペストの流行を引用し「今の状況で最もリスクが高いのは、社会と人間性を台無しにすることだ」というメッセージを同校のHP上で生徒たちへ送った』。
『ここにはすべてが書かれています。外国人を危険と見なすこと、最初の感染者を執拗に探すこと、病気を蔓延させた疑いのある者の追跡、デマを煽る声、馬鹿げた治療法、生活必需品の買い占め…』。
生徒たちに『冷静でいること、集団パニックに巻き込まれないこと、予防対策をして、日常生活を続けること』と呼び掛けた。
さらに、『このような出来事における最大のリスクは、社会生活と人間関係が毒され、市民生活が荒廃することです』とし、『私たちの最も貴重な財産である社会と人間性を守るために、理性ある思考とともに行動しましょう』と結んだ。
蔓延していくのはウィルスだけではない。私たち大人こそ、不安を鎮め冷静な行動を。(K)
BayPRESS 885号 /2020年02月29日発行
今月6日、清水エスパルスの山室晋也社長が就任のあいさつで田辺市長を訪問し、新スタジアムの建設を要望。田辺市長は市の行政計画を併せていくと応じたという。
理想はガンバ大阪の本拠地で、約4万人収容のパナソニックスタジアム吹田。収容人員は約4万人で建設費は約140億円。全てが募金でその約半分をパナソニックが負担した。
わが街の人口規模等を考えると、募金だけで早期に実現するのは難しい気がする。
9日「新サッカー場が欲しい サッカー王国、復活を目指して」と題した座談会がマリナートで開催され、商業施設を併設、ライブ会場としても利用可能な世界中の複合スタジアムが紹介された。まちのシンボル、活性化の拠点として親しまれているという。運動の広がりを期待したい。
清水区では新庁舎(約94億円)と、海洋拠点施設(約240億円…内70億円は入館料収入)の建設が進んでいるが、庁舎による賑わい創出や拠点施設の採算性は疑問だ。
それぞれの機能や施設規模を見直し、スタジアムと複合化してはどうか。場所はJR清水駅東口周辺。関係企業への協力要請や、方針の大転換など壁は高いが、大きな相乗効果が期待できると思う。(K)
BayPRESS 884号 /2020年02月08日発行
10日から2月定例市議会が始まる。39日間の会期の中で令和2年度の一般会計当初予算の審議も行われる。
財政状況は厳しい。予算編成に際し、財政局長は各局長、区長に次のように通知した。
「令和元年の当初予算では約50億円の財源が不足し、基金などの取り崩しで対応。市債(市の借金)残高も4,614億円となり、直近の5年間で217億円増加した」
さらに、「財政の中期見通しでは令和2年度以降は70億円前後の財源不足が生じるなど、市財政の硬直度は高い水準にあり、新たな財政需要への対応が困難になっている」
また、予算編成では各局の概算要求枠を対前年度比でマイナスにし、歳出予算の総額を厳しく抑えるマイナスシーリング方式がとられた。
このことは市の姿勢として高く評価できるが、問題はこのようにして集めた財源を何に使うかだ。爪で拾って箕でこぼすようなことがあってはならない。
議会側には市長が出した議案を可決、否決、もしくは修正して可決するという選択肢がある。最初から全議案に賛成の姿勢では、市と議会の緊張感は失われる。議会が、追認機関とみなされたとき、議会はその存在意義を失う。(K)