このまちの未来について、風間しげきが思うことを綴っていきます。皆様のお声もぜひ、お聞かせください。
BayPRESS 883号 /2020年01月25日発行
清水庁舎整備計画について市民にその賛否を問う住民投票条例の制定を求める署名活動が1月23日から始まる。
2か月間(清水区の署名期間は衆院補選の関係で1/23~2/25・4/27~5/24)で市内全有権者の50分の1、1万1,187人以上の署名を集めれば、市議会に住民投票の実施を求めることができる。
同計画の事業費は約94億円。築約36年の清水庁舎を、同じ津波浸水想定区域内に位置するJR清水駅東口に移転新築するというもの。
市は新庁舎を防災と賑わいの拠点と位置づけるとともに「市民の意見聴取は済んでおり、問題はない」と判断、関連議案を9月定例市議会に上程、賛成多数で可決された。
しかし、疑問は残ったままだ。報道各社が実施した調査結果では、反対が賛成を上回た。市と議会の判断が市民の総意と異なる可能性が高い。
住民投票は議会制間接民主主義を補完する制度だ。静岡市の憲法と言われる自治基本条例に定められ、市政の特に重要な事項について、広く市民の総意を的確に把握するために実施することができる。
大地震の発生確率は年々高まり、財政も厳しさを増していく。残った疑問は市民の力で解いていくしかない。(K)
BayPRESS 881 882号 /2020年01月01日発行
「頑固な院長が笑いで病院を一新しようと、診察後に待合室で落語会を企画するが、院長の落語を聞くと体調が悪くなると、患者や看護師たちは足早に帰ってしまう」。
現役の医師でもある、落語家の立川らく朝さんの「寄席外来~笑いの効用~」の一節。らく朝さんは、「笑いはストレスを解消、癌や高血圧の防止にもつながる」と話します。
笑いの効用と言えば、精神科医で作家でもあった斉藤茂太さんの著書「一笑一若 一怒一老」が思い浮かびます。「大いに笑えば一歳ずつ若返り、怒ったり悲しんだりすれば一才ずつ老いる」と。
さらに、笑いは副作用のない百薬の長として、大阪国際がんセンターでは「漫才ロボ」を作り、本格的な臨床実験に着手するなど、笑いの効用については、多くの医師たちが医学的効用を認めています。
干支は亥年から子年へ。相場の格言に「子(ね)は繁栄、丑(うし)つまずき、寅(とら)千里を走り、卯(う)跳ねる」という言葉があります。
格言通り繁栄の年になるよう、笑う事を忘れず健やかな一年としたいですね。スタッフ一同、読者の弥栄を心よりお祈り申し上げます。【㈱ベイプレスセンター代表取締役 風間重樹 スタッフ一同】
BayPRESS 880号 /2019年12月07日発行
10月28日付の中日新聞に「清水庁舎解体、最大32億円、杭撤去で4倍強に増、静岡市試算公表せず」の見出し。
市が庁舎の解体撤去費をこれまでの約8億円の4倍強に相当する、最大32億円と試算していた。「試算額は公表されず、桜ヶ丘病院にも伝えていない、庁舎移転の総事業費は約100億円から120億円位に 膨らむ可能性がある」。
議会でこの問題を取り上げた。基礎部分を支えるコンクリート製の杭は133本。太さは1mから2m、杭の長さは高層部分で約15m、低層棟で約25m。杭同士の間隔は南北7m、東西約6m。
市は「庁舎跡地に桜ヶ丘病院が移転するため、杭を再利用してもらう方向で調整している」と話すが、病院側は態度を明確にしていない。
老朽化を理由に庁舎を移転するのに、基礎部分だけが老朽化せず、数十年に渡って再利用可能とは理解しがたい。基礎がしっかりしているのなら、庁舎も大丈夫だろう。しかも杭の再利用は本市に前例はなく、全国的にも極めてまれなケース。利用しない杭は、廃棄物処理法により撤去しなければならない。
公表しなかったのは意図的なのか認識が甘いのか。民間企業ならあり得ない話だ。(K)
BayPRESS 879号 /2019年11月23日発行
「名君と暗君の違いとは何か」「名君とは人の言うことをよく聞く事であり、暗君とはお気に入りの臣下の言葉しか信じないことです」。
中国の第2代皇帝太宗の治世、貞観時代は中国史上最も良く国が治まり、貞観の治と言われた。後にまとめられた問答集「貞観政要」は政治の教科書として使われた。
太宗は自分を叱ってくれる部下をたくさん抱え、率直に耳を傾けて、なるほどと思えばすぐに改めたという。徳川家康など歴史上の人物や大企業のトップ等、優れたリーダーたちが座右の書とした。
暗君の組織には忖度と同調という言葉があてはまる。忖度とは本来、他人の心を推し量る意味だが、最近では権力者の気持ちに配慮し行動する意味で使われる。
日本型タテ社会では忖度できる部下が出世し、耳が痛いことを言う部下は敬遠される。似た言葉に同調という言葉がある。自分の意見を言わず周囲の雰囲気に合わせ行動する事を言う。いずれも個人の責任は問われないが、これでは能力主義が浸透しない。
忖度や同調に支配された組織はやがて弱体化し、世の中から見捨てられていく。 (K)
参考図書『貞観政要』呉競守屋洋訳 筑摩eブックス
BayPRESS 878号 /2019年11月09日発行
いつ起こるかわからない災害にどう対処するか。岡生涯学習交流館で行われた、岡船越地区包括支援センター主催の「自宅でずっと」ミーティングを取材した。テーマは「要援護者を災害から守るには」。講師は望月篤医師と薬剤師の杉本道信氏。
望月医師は「防災の最大の目的は生き残る事。生き残れたら周りの命を助ける活動を」とした上で、被災直後のトリアージに話が及んだ。「多数の負傷者の中から、誰を優先的に病院に運ぶのか。」
識別色は4色。赤色は重傷群、黄色は中傷群、緑色は軽傷群、そして、黒色は死亡群。「医師だけではなく市民にも判断が求められる。まず、赤を見つける事」。判定の基本は歩呼爪手(ほこつめて)①歩ける人→すべて緑②呼吸していない→気道確保。二回やっても呼吸なしなら黒色③呼吸数が1分間で30以上、または9以下→赤色④爪を押さえて離してピンク色に戻るのに2秒以上なら赤色。⑤指示通り手を握れない人は赤色。
杉本氏は「お薬手帳は薬剤の記録以外に、総合的な情報が記載されている。災害時、手帳の有無で診察時間が大きく違う」と話した。普段から携帯を心掛けて頂きたい。(K)
BayPRESS 876号 /2019年10月26日発行
12日静岡県に上陸した台風19号は、日本列島に大きな爪後を残した。被災された方々に、心からお見舞いを申し上げたい。温暖化の影響で、台風は大型化していくといわれる。災害列島日本、改めて自分や家族の命は自らの手で守る覚悟が必要だ。
論語に「迅雷風烈(じんらいふうれつ)には必ず変ず」という言葉がある。孔子は自然界の異変があると、これを「天の戒め」として、必ず慎みの態度をとったと伝えられる。大自然を前に、人間は謙虚であるべきとの教えだ。
静岡市議会は、新清水庁舎の移転に関連した、田辺市長提出の議案を賛成多数で可決した。「攻めの防災拠点」として津波浸水想定区域に、他の市町では本庁舎なみ約95億円の区庁舎を建設する計画だ。
報道各社の市民意識調査では、いずれも反対が賛成を大きく上回る。子や孫に災害の不安やツケは残してはいけないと考えるのは当たり前の事。でも、現市政から「謙虚」さを読み取るのは難しい。
「まちの未来は みんなで決めよう」。住民投票にむけた住民発議の署名開始は11月22日から。署名収集ボランティアの募集が始まっている。 (K)
BayPRESS 875号 /2019年10月12日発行
ラグビーワールドカップ。試合会場はエコパを含む全国12か所。試合の盛り上がりを見ていて思った。どうしても清水駅の近くに新しいスタジアムが欲しい。
エスパルス戦の観客動員数が確実に伸びる。試合がない時は、ライブなど様々なイベントを開催。さらに商業施設と複合化すれば多くの人たちが訪れ、確実にまちは賑わう。
市では2023年に事業費約95億円で新清水庁舎を、同約240億円の海洋拠点施設をオープンする計画でいる。
スタジアム建設については、田辺市長が先の選挙で前向きな姿勢を見せたが、まだ何も見えてこない。
三つの施設の優先順位を言わせてもらえばダントツ一番でスタジアム。清水駅は市外・県外からお客様を呼ぶ市の玄関口。特に駅東の開発については、全体像の中心にりスタジアムの建設計画を据えるべきだ。それより優先して清水区民と職員しか使わない庁舎を位置付けてどうする。
海洋拠点と市庁舎、田辺市長はこの二つの施設は「清水区の経済活性化に待ったなし」というが、活性化ならスタジアムのほうが先ではないか。
「ほかでお金使っちゃったから、で~きない!」では許されませんよ。