プリズム

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BayPRESS 893 894号 /2020年07月25日発行

耐震性、津波対策に重点 現清水庁舎建設時の思い③

 庁舎完成の前年の昭和57年11月、建設省が監修した「建築技術」誌に興味深い論文が掲載された。タイトルは「清水新庁舎の構造設計~入力地震動と動的解析~」。執筆は清水庁舎の設計にあたった佐藤武夫設計事務所の構造部。

 昭和53年の大規模地震対策特別措置法により清水市が地震防災対策強化地域に指定されたことに触れ、設計方針を次のように記した。

 「新市庁舎が地震災害時に中枢的役割を果たす防災拠点として十分に機能するように、動的な解析結果を踏まえ、要求される耐震性が確保されることを条件とした」。

 また、津波対策については「電気室・発電機室を4階に、中央防災センターを2階に設け、津波時にも重要施設部が冠水することがない計画とした」。

 さらに、昭和58年10月、現清水庁舎完成時に同設計事務所が提出した概要書「清水市新庁舎~庁舎の計画から完成まで」では、「建物は中小地震時(震度5程度)では全く被害は受けない。大地震時(震度7程度)で、建物の一部に亀裂が生じるが建物の機能には全く支障がないものにした」とし、昭和56年改正の新耐震規準に準拠した庁舎であることを強く印象付けた。続


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