プリズム

このまちの未来について、風間しげきが思うことを綴っていきます。皆様のお声もぜひ、お聞かせください。

BayPRESS 909号 /2021年03月20日発行

住民監査請求は核心に至らず! 耐震性能不足は移転の一要素?

 現清水庁舎の耐震診断に間違いがあるとして、田辺信宏市長に対し耐震診断の委託費など約8千6百万円の返還を求めた住民監査請求の結果が出た。

 まず、耐震診断について、データー等が欠落しており正確性を欠くと指摘した部分は、時効を理由に却下。市はデータの欠落は認めたものの、疑惑の核心には至らなかった。

 次に、この耐震診断を根拠に、新庁舎の移転計画が進められらたと指摘した部分については棄却。因果関係はないとした市の主張が通った。

 監査委員は、耐震診断は移転計画の背景、要素の一つに過ぎず、移転計画の最大の理由として捉えることは妥当でないと判断。我々が間違いを指摘した、耐震診断の結果と移転計画の因果関係を否定した。

 新清水庁舎の移転計画は、現清水庁舎の耐震性能に問題があることが最大の理由と聞いていたが、聞き間違いか。

 現清水庁舎は構造的には新耐震。しかも築38年での移転解体という計画は全国でも前例がない。

 街づくりや賑わいのための移転計画だとしたら、その事業に費やされた税金を市民は当然だと受けいれるだろうか。

BayPRESS 908号 /2021年03月06日発行

被災地を覆った埃と匂い このまちの3・11はいつ

 10年前の4月20日深夜、静岡県ボランティア協会のスタッフ達と上野駅から東北へ向かう高速バスに乗った。目的地は後方支援基地、遠野市の災害ボランティアセンター.ここを拠点に、22日まで釜石市、大槌町、山田町を回った。

 車窓からまちの惨状がはっきりと見えてくる。潰滅と言う言葉以外に表現のしようがない。ため息もをつく気力もなくなっていく。

 震災から一か月。海底の土が削り取られて黒く濁った津波は埃となり、かすかなヘドロ臭とともに被災地を覆っていた。

 どこの市町でも、生存者の確認に追われていた。死者1万8131人。行方不明者2829人。

 想定される南海トラフ地震は東北大震災の被害を大きく上回る規模になる。

 いつ起きるのか。現代科学でははっきりと予想できない。

 ただ、「今日一日、地震が来なかった」と安堵の裏で、地震エネルギーは少しずつ蓄えられ巨大化している。

 自然への畏敬と畏怖、そして命の大切さ。多くの人たちが、命を賭して残した教訓は絶対に忘れてはいけない。

 このまちの3・11 は、明日かもしれない。

BayPRESS 907号 /2021年02月20日発行

「教訓を忘れるな!」の啓示 東日本大震災から間もなく10年

 宮城、福島に震度6強の地震が発生した。大きな揺れに見舞われた地域の方々には、心からお見舞いを申し上げたい。

 清水区の震度は3。長く続いた揺れに「ついに来たか」と身構えた。

 自分や家族で生き抜くことを「自助」、隣近所や自治会などで助け合うことを「共助」、自治体や国・自衛隊などからの援助を「公助」という。

 南海トラフ地震の場合、被災地が広域化するため、公的援助は当分の間、期待できない。まずは、自助意識を高めていく必要がある。家具の転倒防止や避難ルート、備蓄食料などは大丈夫か。

 そして、公助の要、市の防災意識も気にかかる。桜ヶ丘病院と災害拠点となる新清水庁舎の移転先ははJR清水駅東口公園。最大2、6mの津波が想定される。

 心配する市民の声に市は「県に防潮堤を作ってもらい、津波発生時は自衛隊が駆けつけてくれるから大丈夫」だという。

 市民には自助を求めながら他人任せ、最初から公助をあてにしている市行政。上層部では相当風化が進んでいるようだ。

 東日本大震災から間もなく10年。「教訓を忘れるな!」との啓示。重く受け止めていただきたい。

BayPRESS 906号 /2021年02月06日発行

今の政治のその先に責任を ツケを残すか種を撒くのか

 『若者よ、政治に関心を持とう。ツケを払うのは君たちの世代だ』11月14日の本コラムで書いた。

 「選挙に行ったところで、どうせ政治は変わらない」と若者は言う。無関心の責任は高齢者にもある。

 シルバー民主主義と言う言葉がある。少子高齢化が進行し、有権者に占める高齢者の割合が増加、政治への影響力が若者達より大きくなっていくこと。

 こうなると、年金や社会保障など高齢者寄りの政策ばかりが重視され、子育て世代や若者にも配慮した政策が後回しになる。建設事業なども同様、今は良くても20 年から30年後、大きな負担になる場合がある。

 対策として選挙制度を変えべきとの意見もある。赤ちゃんも有権者の一人と考え親が代わりに投票したり、年齢によって一票の重さを変える制度だ。

 人口減少で、財政状況はますます厳しくなる。ツケを残すか、実のなる種を撒くのか。子や孫の世代がどうなるのか。せめて身近な行政に目を光らせるべきだと思う。

 『シルバーエイジよ、今の政治のその先の結果に関心を持とう。ツケを払うのは可愛い子や孫たちの世代だ』

BayPRESS 905号 /2021年01月23日発行

専門的見解加え監査請求 庁舎の耐震診断は適切か

 方針決定には客観的で適切な判断材料が不可欠だ。

 清水庁舎の耐震診断結果についてずっと疑問を持っていた。田辺市長は「耐震性能が劣る」ことを移転理由にあげた。もし、この理由が客観的に正しいと証明できなければ、市が投じた税金の返却を求めるのは当然だ。

 2012年に行った耐震診断等に対し、住民監査請求を起こすことにした。市長に関連経費の返却を求める。請求人は私のほか増田千次郎氏、松永一宏氏の3氏。

 増田氏は芝浦工業大学工学部建築学科卒。元同学科特任教授。専門分野は、伝統的建造物調査。松永氏は横浜国立大学、同大学院で耐震構造を学び、卒業後は現清水庁舎を設計した㈱佐藤武夫設計事務所(現㈱佐藤総合計画)構造部に在籍した。

 「清水庁舎は築37年、構造的には新耐震基準に適合している。移転しなければならないほど耐震性能が劣るとは思えない」。当たり前の疑問に、専門的な見解を加えての監査請求。

 却下か棄却か勧告か。結果は分からないが、それでも清水庁舎は存在する。早急に、適切な方法で耐震診断を実施すべきだ。

BayPRESS 903 904号 /2021年01月01日発行

粘り強く住みよい清水を 発展の本物の種を撒こう

 2021年の干支は丑、誠実さと粘り強さを発揮する年。
 振り返ると、生活のすべてが新型コロナに影響された一年でした。

 市政では、清水庁舎や海洋文化施設の建設計画が一時停止、桜ヶ丘病院の移転は二転三転しJR清水駅東口公園に白羽の矢が立っています。後手後手の計画変更。

 明日起きるかもしれない巨大地震、市の財政運営も年々厳しくなっていく中で、行政の舵取りは一層難しくなっていくことでしょう。

 清水の将来を担う子どもや孫たちに、災害時の不安や、財政上のツケを残してはいけない。たとえ小さな一粒でも、郷土の賑わいや発展に結び付く、本物の種を撒いておきたい。そんな思いでいっぱいです。

 さて、ベイプレスは今年で創刊41年目を迎えます。引き続き、読者相互の情報交換の場として、また、企業商店の広報の場としてご活用いただければ幸いです。

 本当に厳しい一年でしたが、心温かな読者とスポンサー、忍耐強い配布・編集スタッフに支えられ、何とか年を越せそうです。 

 困ったときはお互い様。粘り強く、共に住みよい清水を築いていきましょう。

BayPRESS 902号 /2020年12月12日発行

庁舎移転用地に桜ヶ丘病院 診療科目や代替え地確保は

桜ヶ丘病院の移転問題が大きく揺れている。

 これまで清水庁舎跡地に病院を移転するとしていた市は、コロナ等による影響から庁舎の移転計画を一時停止。新たに病院の移転候補地としてJR清水駅東口公園とイベント広場のほか、2か所の民地を提案。いずれも津波浸水想定区域だ。

 今回もまた見切り発車か。特に東口公園は庁舎の移転用地として議決済み。ここが選択されると、移転計画は白紙か縮小を迫られるはずだ。

 ところが庁舎移転に賛成した議員が、今議会で「東口公園は市の一等地だが、市がこの土地を候補地にあげたのは病院に残って欲しいという熱烈な思いの表れ」と、市の判断を高く評価した。

 病院移転に課題は無いのか。清水区に不足する診療科目への対応、医師確保の目途と責任。赤字が続く市立清水病院や他の総合病院への影響や、津波への対策。東口公園に決まれば、近くに公園の代替え地が必要になる。

 猫の目行政に翻弄されながらも、その都度、追認していては市議会の存在意義が問われる。病院の撤退を望む市民はいない。早急に全体像を明らかにすることこそ必要だ。