プリズム

このまちの未来について、風間しげきが思うことを綴っていきます。皆様のお声もぜひ、お聞かせください。

BayPRESS 989号 /2026年08月29日発行

忖度せず根回しせず決断 速度と合意形成どう両立

 難波市政への批判を聞くことが多い。

 静岡市の人口減少は、現在進行形だ。市の推計では、このまま対策を講じなければ、生産年齢人口は2050年に2025年比で34%減少する。

 難波市長はこの現実を直視、従来の財政運営から「積極投資財政」への転換を打ち出した。行財政の聖域なき見直しも避けては通れない。

 来年は改選期。一般に選挙が近づけばばらまき型の予算が増え、痛みを伴う改革は当選後に先送りされがちだ。難波市長は忖度せず、根回しせず、必要と判断すれば決断する。その姿勢と速度は、停滞を打破する原動力となる。一方で、改革を急げば、既存の仕組みや利害との摩擦も強まる。

 行政は、正しい政策を決めれば動くほど単純ではない。市民、関係者の理解を得て、初めて政策は動き出す。決断に説明が追いつかなければ、改革は立ち往生する。そこで撤回すれば成果は残らず、対立軸だけが残りかねない。

 難波市長への批判は、ともすれば個々の政策の是非に向かうが、痛みを伴う改革は避けて通れない。速度と合意形成。そのバランスこそが真の課題だと思う。

BayPRESS 988号 /2026年07月25日発行

制度移行後は399床体制へ 医療人材流失の影響が焦点に

 難波喬司市長は、清水厚生病院と一体的運用となる、清水病院の運営方針を明らかにした。

 病床構成は、救急や手術など高度で集中的な治療を担う急性期病床299床と、症状が安定した患者の治療やリハビリ、在宅復帰を支援する包括期病床100床の計399床。

 現在、両院の病床数は急性期345床、包括期100床(回復期44床、地域包括ケア56床)の計445床。

 新病院では病床規模を適正化しながら、医療機能の集約によって急性期医療の水準を保ち、包括期機能の充実を図る。診療科は現在と同じ29科体制を維持。

 手術機能は市立清水病院の年間190件、清水厚生病院の年間52件の実績を踏まえ、新病院では現在の水準を維持、増加を目指す。

 内科救急当番は両病院の合計月約11日を維持、外科救急当番は月28日程度から約30日へ拡充。広域対応も見据えた救急医療体制を整備する。

 全面稼働までの間は葵区・駿河区の基幹病院とも連携し、地域医療提供体制を維持していく方針だ。

 指定管理制度への移行に伴う医療人材の流出が、新体制にどの程度影響するかが焦点となる。

BayPRESS 985号 /2026年04月25日発行

地球・海洋ミュージアムの轍 見切り発車した大型建設事業

 難波市長は地球・海洋ミュージアムの契約解除に向け事業者側と協議に入ったことを明らかにした。

 走り出したら止まらない、公共事業の典型的なパターン。

 構想段階では独立採算が前提だった。その後、市が運営費の約二分の一を負担する内容に変わり、さらに赤字の場合を含み収支を折半する計画へと修正が重なっていった。

 運営費を含めた総事業費240億円。このうちの建設費は約94億円。

 契約後に東海大学が計画から距離を置き、飼育や研究・教育機能の前提が崩れ、調整に長い時間を要していた。その間に、建設費は約70億円以上増加した。

 契約時より多額の事業費、税金投入が不可避となり、事業者は投資回収が困難になり、市は投資効果の確保が困難になった。

 市と契約した以上、大幅な計画遅延は事業者側の責任と言わざるを得ない。

 市も信用を失った。議会が賛成多数で契約を承認したのは、難波市長就任の直前の2月定例会。課題が指摘されながらの見切り発車だった。

 双方の見込みの甘さを議会が追認した。 大型公共事業の計画が続く。同じ轍を踏んではならない。

BayPRESS 982号 /2026年01月31日発行

政党の政策と候補者の資質と 日本の進路決める重要な選挙

 衆議院議員選挙の投開票は2月8日。日本の将来を左右する重要な選択となる

 長引く物価高が家計を直撃し、「貧しい先進国」からの脱却は喫緊の課題だ。実質賃金の伸び悩みや国際競争力の低下に加え、人口減少と少子高齢化が進み、地方の担い手不足は深刻さを増している

 厳しい財政制約の中で、社会保障の維持と成長投資をいかに両立させるか。もはや従来型のばらまきや業界依存の政治では、構造的課題には対応できない。既存の制度を抜本的に見直す、政治の「覚悟」が問われている。

 さらに目を向けるべきは国際情勢。地政学的緊張の高まり、そして資源・食料を巡る国家間競争。安全保障の前提が揺らぐ中で、国益を守り抜く強固な意志も必要とされる。

 しかし、聞こえるのは目先の人気取りや特定地域への利益誘導を優先する声だ

 国家の行く末を決める代表を選ぶ選挙。各政党が掲げる公約だけでなく、候補者一人ひとりの「資質」も重要だ。

 国民の痛みを理解し、国家の利益を自らの言葉で語り、実行できる政治家を選択する。その一票の積み重ねが、新しい日本を創る最も確実な一歩だと思う。

BayPRESS 981号 /2025年12月20日発行

巳から午へ変化と加速の年に 清水の未来へ共に駆ける一年

 干支は巳年から午年へ。

 平成26年の午年には、STAP細胞問題が社会を揺るがし研究への信頼性が問われたほか、ソチ五輪で羽生選手が金メダルを獲得するなど、話題が相次いだ年。また、日本創成会議が「消滅可能性都市」を公表し、人口減少が現実の課題として突きつけられた年でした。

 さて、令和8年は「変化に対する対応が具体的に求められる年」に。国家として安全保障の位置づけが一段と明確になり、人口減少と少子高齢化が進む地方自治体では、対応と立て直しが強く求められる年になりそうです。

 静岡市では大型建設事業が相次いで計画され、清水区では海洋・地球ミュージアム、清水庁舎の移転新築、新サッカースタジアムの建設計画などが進んでいます。その先に見える姿はどの様な風景か、そして負担は…。

 新しい年の幕開け。「勢いよく駆け抜ける」「転換点をつかむ」といわれる午年。市政の情報も、より詳しく分かりやすくお伝えします。

 スタッフ一同、皆様の努力が実を結び、笑顔で駆け抜ける一年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。

BayPRESS 980号 /2025年11月22日発行

移転か改修か今年度末に結論 清水庁舎移転に約170億円

 清水庁舎移転の説明会が12日、同庁舎の3階ふれあいホールで開かれ約100名の市民が集まった。

 経過説明の後、難波喬司市長との質疑応答では、「わざわざ津波浸水想定区域に移転する必要はない」など、津波に対する不安の声が数多く聞かれた。

 難波市長は、「大地震(南海トラフ型)にも耐える施設をつくるための移転」であること。そして津波に対しては「巴川の水門を10年を目途に建設、移転場所一帯の浸水被害を軽減する」ことなどを説明。

 さらに、移転先となる清水駅東口に加え、エネオス側の開発も一体的に進めるとして理解を求めた。

 移転新築案の場合費用は169億5千万円。現地改修案の場合は144億3千万円。

 今後、現庁舎の耐震性能に対する評価や、移転に伴う駐車場整備、さらには移転した場合の現庁舎の扱いなど、細かな説明が不可欠だ。

 難波市長は11月13日から始まった市議会11月定例会での議論や、パブリックコメント(12月5日必着QR参照)の内容を踏まえ、今年度末までに最終決定を下すとしている。

BayPRESS 979号 /2025年10月25日発行

誰もが安心して豊かに快適に 支えあいで福祉のまち清水を

「福祉のまつり2025」は「子どももお年寄りも、 障がいのある人もない人も、全ての市民が安心して豊かに暮らすことができる福祉のまちづくりには、 一人ひとりの自主的な福祉活動への参加が重要…」との趣旨で開催される。

 ひらがなで表記することが多くなった、「障がい」の「がい」。
 本市では平成24年度の障がい者計画などの策定時よりひらがなを適用。「一般的にマイナスイメージのある漢字をひらがなにすることで、障がいに対する理解を深め、共生社会を目指すことを目的とした」という。

 また、かつてよく使われた障がいを「持つ」という表現も、最近では障がいが「ある」との表現に変わりつつある。

 「持つ」は内面、「ある」は外部の状態をイメージさせる。

 表現の変化は、偏見や差別、社会制度や日常生活の中の障害物こそが問題で、それらを取り除けば「誰もが安心して暮らしていくことができる」との考えからだ。

 「子どももお年寄りも、 障がいのある人もない人も、全ての市民」が同じ立場で支えたり支えられたり。多くの市民が集い、福祉について考える年に一度の催し。えひご参加を。