プリズム

このまちの未来について、風間しげきが思うことを綴っていきます。皆様のお声もぜひ、お聞かせください。

BayPRESS 号 /発行

近隣の負荷を軽減する計画に 河道掘削に伴う橋梁整備事業

 浸水対策重点地域緊急事業は令和5年に国と県が公表。巴川水系の麻機遊水地や河道掘削、堤防のかさ上げ、貯留浸透施設など整備を行う

 令和4年9月の台風15号では床上浸水3533戸、床下浸水1288戸の甚大な被害が発生。事業の完成で河川氾濫による床上浸水被害を約2割軽減する。

 県は昨年7月に架け替えに関係する地権者への個別説明を行い、本年5月30日まで浜田地区で7回の説明会を行った。完成時期は未定としながら、早ければ令和7年11月には事業着手したいとの発言もあった。

 「一方的で説明が足りない」、千歳橋架け替えには近隣住民からは反対の声が。また、富士見橋周辺の住民たちは「住み慣れた場所を離れることに対する不安」を口々に。県は撤去の方針を明らかにした。自治会関係者からは、広域にわたる渋滞を懸念する声も聞かれている

 一日も早い事業の完了を願う人たちがいる一方、事業によって大きく影響を受ける人たちもいる。

 事業の重要性は理解できるが、県は近隣住民や自治会の不安や懸念に寄り添い、できる限り負荷を軽減する計画とするよう望みたい。

BayPRESS 974号 /2025年05月31日発行

東静岡アリーナ8月入札公告へ 資材高騰や社会情勢への不安も

 静岡市が東静岡駅前に建設予定のアリーナは8月に入札公告、304年春の開業を目指す。

 市議会が承認した事業費は最大で約300億円。経済波及効果は2年間で5千億円以上。難波市長は「市民への投資案件」と話すが、不安が無いとは言い切れない。

 建築設備の物価上昇や、専門施工事業者の人手不足が続き、公共事業の入札不調が相次いでいる。

 静岡市民文化会館の改修では、応札業者の価格は市が予定した約160億円の2倍以上で大札不調。県事業の新中央図書館では、概算事業費を180億円から298億円に増額したものの手が上がらなかった。

 資材高騰は、原油価格の上昇や、ウクライナ情勢が、また、人件費高騰は人口減少による労働力不足、国内外の社会情勢と複数の要因が複雑、複合的に絡み合っている。

 将来への漠然とした「不安」を口にすれば根拠は?と問われそうだが、予測を「確実」と断言できる根拠も無い。

 入札は成立するのか。また、経済波及効果は期待できるのか。事業提案書にもしっかり目を通していきたい。

BayPRESS 973号 /2025年04月19日発行

主主義とは何か議会とは何か 議論の過程重視し民意を作る

 静岡市議会議員として新しい任期が始まった。

 民主主義とは何か、議会とは何か。「デモクラシーの論じ方ー論争の政治」(杉田敦著ちくま新書)を読み返した。

 対話形式で本文が始まる。「今の議会は人々の意見を十分に反映しているだろうか。ある一部の人々の利害だけを反映しているように思える」。

 問題はこの一文に凝縮されているように思う。議員の役割は二つ。「一つは、市民の意見を忠実に伝える役割。もう一つは、民意を作り出す役割。どちらも大事だが「常に人々の声に耳を傾ける回路を失ったら、単なるエリート集団になってしまう」。

 そして、議会は「セレモニーであってはいけない」。結論ありきの議論ではなく「議論の過程こそが民主主義」であると心したい。

 今回の選挙結果は政党色が色濃く反映された。その後の、会派結成も政党、支持母体単位での構成となった。無所属議員にとっては、いずれも厳しい結果となった。

 少人数でのスタートとなるが、民主主義の原点を忘れず、謙虚に、そして誠実に市政に向き合っていきたい。

BayPRESS 972号 /2025年03月08日発行

大型建設事業について総括質問 それぞれの効果と課題を明確に

 2月定例市議会では大型建設事業について質問した。

 「海洋・地球総合ミュージアム」は議決から2年間で、大きな変化が生じている。建物を支える基礎の設計ミスや建設資材の高騰で建設費が増高すること、さらに博物館機能の中心だった東海大学が大きく手を引く形と
なっている。

 目玉となる博物館機能は維持できるのか、建設費はどれほど増高するのか、変化による経営の見通しはどうかなど、一度立ち止まって整理する時期に来ていると考える。

 「アリーナ整備事業」は事業費300億円余。33年間の経済波及効果を5236億円と試算する。市長肝いりの事業。

 民間からの寄付金を活用するために基金も創設された。市の負担がどの程度減るかが判断基準の一つだ。難波市長の手腕に期待したい。

 「新サッカースタジアム」は再整備、建て替え案件であり前出の整備事業とは異なる。移転新築を軸に清水区の核的施設として、他の建設・整備計画より優先して検討すべき案件と考える。

 清水区役所の窓口機能、海洋拠点施設などの複合・併設を含め、改めて検討してはどうか。

BayPRESS 971号 /2025年02月15日発行

清水さくら病院の竣工式に参加 医療の充実と災害対策の強化を

 清水さくら病院の竣工式に参加した。最新の医療機器を備えた病院が建設されたことを喜びたい。

 これまで、地震発生時には災害弱者となる人たちがいる病院の移転先は、津波浸水想定区域外を最優先で検討すべきと主張してきた。移転先が決まれば除却まで数十年。その間、必ず大規模な地震に遭遇する。

 築60年を超え老材化した同病院の移転そのものに反対したわけではない。問うてきたのは移転先、立地上の安全性だ。

 同病院では約6m 構造体をかさ上げ、中枢機能や重要機器を2階以上に配置。 災害時の孤立化への対応として、水や非常用発電機の燃料を3日以上確保するとしている。

 建築資材高騰の中で、市議会での議論や市民の不安を受け止め、できる限りの対応をしていただいたと思う。

 ただ、立地上のリスクが完全に払拭されたわけではない。日常の医療活動の一層の充実とともに、災害を想定した様々な準備、対策の強化を望んでいきたい。

 診療科目は桜ヶ丘病院と同じ、内科・整形外科・泌尿器科・眼科・歯科口腔外科・放射線科・甲状腺科で、3月1日にスタートする。

BayPRESS 970号 /2025年01月25日発行

清水庁舎移転新築か現地改修か 安全確保なら浸水想定区域外も

 清水庁舎の今後の方針について、難波市長は1月9日の記者会見で、機能を他の施設に分散化させコンパクトな庁舎を移転新築する案と、現地改修の二案を提示した。

 移転先はJR清水駅周辺を有力とし費用は未定。現地改修の場合は耐震に約30億円から40億円、老杤化対策に約100億円と試算した。清水庁舎の老化は、静岡庁舎に比べ必要な改修を怠ってきた結果に他ならない。

 市が委託した第三者委員会が被害想定をより厳しい条件で診断した結果、2階から9階で、市が昨年度実施した結果より低い数値となった。「本震で崩壊する危険性は低いが、余震で安全確保が困難になる場所が発生する可能性がある」という。

 さて、安全確保が困難になる場所とは具体的にどこで、どのような状況が想定されるのか。また、老化対策とはどこをどのように更新するための費用か。さらに、移転新築の規模と費用はどの程度か.具体的な説明が求められる。

 移転検討に異論はないが、それほどまでに安全確保を問うのであれば、移転先は津波浸水想定区域外も検討すべきと思う。

BayPRESS 969号 /2025年01月01日発行

激動の「辰年」から「日年」へ 古い慣習は捨て市政再生の年に

 令和6年は皆様にとってどのような一年でしたか。

 元日早々、石川県能登地方でマグニチュード7・6の地震 が発生。次郎長通りで、家内と消防団のはしご乗りを見ている最中の出来事でした。復興半ばで未曽有の集中豪雨にも見舞われた方々に一日も早く日常が訪れることを願うばかりです。

 甲と辰が合わさる今年の干支「辰年」は「変革」や「動」の年。政治も大きく動きました。

 県政では5月、川勝平太知事が辞職、 鈴木康友新知事が誕生。先の国政選挙では、自民党の裏金事件が影響し30年ぶりの少数与党政権発足となりました。

 有権者の声が山を動かした激動の年は改まり、令和7年は巳年。蛇は再生の象徴とされています。

 静岡市は一昨年より難波喬司市長が市政をけん引。良きものは守りながらも古い考えや慣習は捨て去り、より新しい市政を作るためにも、しっかりと現状を見極め声を出し続けることが大切です。

 ベイプレスの編集配布スタッフ一同、心も新たに読者の日々の生活に、気付きや彩りを与える情報を伝えていきます。引き続きご愛読ください。