プリズム

このまちの未来について、風間しげきが思うことを綴っていきます。皆様のお声もぜひ、お聞かせください。

BayPRESS 879号 /2019年11月23日発行

能力主義と日本型タテ社会 トップが最も気を付ける事

 「名君と暗君の違いとは何か」「名君とは人の言うことをよく聞く事であり、暗君とはお気に入りの臣下の言葉しか信じないことです」。

 中国の第2代皇帝太宗の治世、貞観時代は中国史上最も良く国が治まり、貞観の治と言われた。後にまとめられた問答集「貞観政要」は政治の教科書として使われた。

 太宗は自分を叱ってくれる部下をたくさん抱え、率直に耳を傾けて、なるほどと思えばすぐに改めたという。徳川家康など歴史上の人物や大企業のトップ等、優れたリーダーたちが座右の書とした。
 
暗君の組織には忖度と同調という言葉があてはまる。忖度とは本来、他人の心を推し量る意味だが、最近では権力者の気持ちに配慮し行動する意味で使われる。

 日本型タテ社会では忖度できる部下が出世し、耳が痛いことを言う部下は敬遠される。似た言葉に同調という言葉がある。自分の意見を言わず周囲の雰囲気に合わせ行動する事を言う。いずれも個人の責任は問われないが、これでは能力主義が浸透しない。

 忖度や同調に支配された組織はやがて弱体化し、世の中から見捨てられていく。 (K)
参考図書『貞観政要』呉競守屋洋訳 筑摩eブックス

BayPRESS 878号 /2019年11月09日発行

災害時の市民トリアージ お薬手帳の重要性を学ぶ

いつ起こるかわからない災害にどう対処するか。岡生涯学習交流館で行われた、岡船越地区包括支援センター主催の「自宅でずっと」ミーティングを取材した。テーマは「要援護者を災害から守るには」。講師は望月篤医師と薬剤師の杉本道信氏。

 望月医師は「防災の最大の目的は生き残る事。生き残れたら周りの命を助ける活動を」とした上で、被災直後のトリアージに話が及んだ。「多数の負傷者の中から、誰を優先的に病院に運ぶのか。」

 識別色は4色。赤色は重傷群、黄色は中傷群、緑色は軽傷群、そして、黒色は死亡群。「医師だけではなく市民にも判断が求められる。まず、赤を見つける事」。判定の基本は歩呼爪手(ほこつめて)①歩ける人→すべて緑②呼吸していない→気道確保。二回やっても呼吸なしなら黒色③呼吸数が1分間で30以上、または9以下→赤色④爪を押さえて離してピンク色に戻るのに2秒以上なら赤色。⑤指示通り手を握れない人は赤色。

 杉本氏は「お薬手帳は薬剤の記録以外に、総合的な情報が記載されている。災害時、手帳の有無で診察時間が大きく違う」と話した。普段から携帯を心掛けて頂きたい。(K)

BayPRESS 876号 /2019年10月26日発行

住民発議でボランティア募集 まちの未来みんなで決めよう

 12日静岡県に上陸した台風19号は、日本列島に大きな爪後を残した。被災された方々に、心からお見舞いを申し上げたい。温暖化の影響で、台風は大型化していくといわれる。災害列島日本、改めて自分や家族の命は自らの手で守る覚悟が必要だ。

 論語に「迅雷風烈(じんらいふうれつ)には必ず変ず」という言葉がある。孔子は自然界の異変があると、これを「天の戒め」として、必ず慎みの態度をとったと伝えられる。大自然を前に、人間は謙虚であるべきとの教えだ。

 静岡市議会は、新清水庁舎の移転に関連した、田辺市長提出の議案を賛成多数で可決した。「攻めの防災拠点」として津波浸水想定区域に、他の市町では本庁舎なみ約95億円の区庁舎を建設する計画だ。

 報道各社の市民意識調査では、いずれも反対が賛成を大きく上回る。子や孫に災害の不安やツケは残してはいけないと考えるのは当たり前の事。でも、現市政から「謙虚」さを読み取るのは難しい。

 「まちの未来は みんなで決めよう」。住民投票にむけた住民発議の署名開始は11月22日から。署名収集ボランティアの募集が始まっている。 (K)

BayPRESS 875号 /2019年10月12日発行

スタジアムこそまちに賑わい 前向き姿勢は大丈夫?

 ラグビーワールドカップ。試合会場はエコパを含む全国12か所。試合の盛り上がりを見ていて思った。どうしても清水駅の近くに新しいスタジアムが欲しい。

 エスパルス戦の観客動員数が確実に伸びる。試合がない時は、ライブなど様々なイベントを開催。さらに商業施設と複合化すれば多くの人たちが訪れ、確実にまちは賑わう。

 市では2023年に事業費約95億円で新清水庁舎を、同約240億円の海洋拠点施設をオープンする計画でいる。

 スタジアム建設については、田辺市長が先の選挙で前向きな姿勢を見せたが、まだ何も見えてこない。

 三つの施設の優先順位を言わせてもらえばダントツ一番でスタジアム。清水駅は市外・県外からお客様を呼ぶ市の玄関口。特に駅東の開発については、全体像の中心にりスタジアムの建設計画を据えるべきだ。それより優先して清水区民と職員しか使わない庁舎を位置付けてどうする。

 海洋拠点と市庁舎、田辺市長はこの二つの施設は「清水区の経済活性化に待ったなし」というが、活性化ならスタジアムのほうが先ではないか。

 「ほかでお金使っちゃったから、で~きない!」では許されませんよ。 

BayPRESS 874号 /2019年09月28日発行

「ありがとう」のために BPは9月で創刊39周年

 ベイプレスはこの9月で創刊39年を迎えます。39はサンキュー。Thank You Year(感謝の年)の始まりです。

 まずは、配布を楽しみにしてくださる読者の皆様、発行を支えてくださるスポンサー、そして、暑い日も寒い日も、雨の日も風の日も、ベイプレスを読者のもとに届けてくださる多くのデリバリースタッフ、温かい目で見守り続けてくださる株主の皆様に心から感謝申し上げます。

 読者の皆様には、より楽しく、ためになる情報をお届けするとともに、読者プレゼントなどもさらに喜んでいただけるものをラインナップしていきます。スポンサーの皆様には広告効果の期待できる企画の提案をしていきます。そして、デリバリースタッフの皆様には効率の良いお仕事ができるよう工夫を重ね、特典も数多く提供していきます。最後に、株主の皆様には経営の改善に努めていくことをお約束します。

 すべては「ありがとう」のために。ずっと思い続けているのは信用される企業になる事。Thank You Year。関係する多くの方々から、たくさんの「ありがとう(Thank You)」が頂けるようスタッフ一同、感謝の気持で頑張ります。

BayPRESS 873号 /2019年08月31日発行

教訓は生かされているか 被災病院はすべて高台へ

 東日本大震災で被災した岩手の県立3病院を視察した。いずれも高台への移転が完了しいていた。

 被災当時の大槌病院は3階建て60床。2階天井付近まで浸水し病院機能停止。屋上へ必死の患者搬送。大量の瓦礫が火災を招き病院を囲んだ。医師、看護師たちは死を覚悟したという。入院患者一名、職員一名が亡くなった。

 2階建て60床の山田病院は1階天井付近まで浸水。1階部分が全壊し病院機能停止。職員1名が亡くなった。2006年、津波浸水想定区域外から区域内に移転し被災。「当時、高台移転の声もあったが利便性を優先したらしい」と当時を振り返る事務職員。築13年で被災した前病院では解体が進んでいた。

 4階建て70床の高田病院は4階天井まで浸水。浸水区域内にあった病院を1998年に全面改修。入院患者12名、職員6名が犠牲となった。「病院や市役所など住民の命を守る施設は、自然災害が起こらない場所に」。災害で夫人を亡くした名誉院長は回想録に教訓としてこう記していた。

 清水区で進む庁舎と病院の移転計画。区民の不安に「津波の規模が違う」と笑う人もいる。はたして教訓は生かされているのだろうか。

BayPRESS 872号 /2019年07月27日発行

民主的な市政運営望む 庁舎移転に市民意向調査

 6月定例市議会が閉会した。総括質問では田辺市長に「新庁舎建設は市民の過半数の理解が得られていると思うか」再三訊ねたが、田辺市長からの答弁はなかった。

 今回の市長選挙では投票総数の過半数を得ることができなかった。庁舎移転に関する静岡新聞社の調査では反対が賛成を上回った。加えて、市がこれまで行ってきたタウンミーティングや、市民アンケート、パブリックコメントの結果などを見ても、十分な市民理解が得られているとは言い難い。

 多くの市民の理解を得ながら市政運営を行うことは、市長が市行政を預かる上においての基本。今回の質問は民主的な市政運営を求められる市長に、その見解を問うものだった。

 市長はこれまで「市民の代表たる議会に判断してもらう」と発言してきたが、市民理解が得られているとは言い難い事業の可否を、議会に丸投げするとしたら無責任極まりない。

 行政の責任者として議会への関連議案の上程前に、早急に市民説明会を開催し、市民の意見を集約。必要があるとするなら計画を見直し、改めて住民投票、もしくは、それに準ずる市民意向調査を行う必要があると思う。