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BayPRESS 896号 /2020年09月12日発行
田辺信宏市長は住民投票条例設置請求に付した反対意見の中で、改めて現庁舎の耐震性能不足を移転新築の大きな理由にあげた。構造設計上に問題はない。だとすれば躯体の経年劣化が影響を与えているのか。
平成29年の市議会本会議で財政局長は「平成24年にコンクリートの圧縮試験と劣化度の進行状況確認のための中性化試験、および内外壁のひび割れ等を確認するための外観目視を行った。結果は良好で問題はない」と明言した。
しかも、その時の調査報告書によると、コンクリート強度は設計当初の強度を上回る数値をはじき出していた。良質のコンクリートは築年数が増すほど強固になるという。
さて、当初から大地震にも耐える事を条件に設計され、躯体の劣化も進んでいない。それでは、なぜ移転新築しなければならないほど、耐震性能が劣るのだろうか。
この疑問について、前出の設計士は「市当局が委託先に指示した診断方法が、そもそも現清水庁舎の構造に適しているとは言えない」と指摘。「レントゲン診断で写った影を癌と診断、精密検査もしないでいきなり死亡宣告を受けたようなものだ」と、ため息をついた。続
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