プリズム

このまちの未来について、風間しげきが思うことを綴っていきます。皆様のお声もぜひ、お聞かせください。

BayPRESS 867号 /2019年04月27日発行

GWは初孫と動物園へ 顔出しパネルとダチョウ舎

 我が家のゴールデンウィーク、最大のイベントは初孫が初めて遊びに来ること。

 子どもたちが小さい頃、よく日本平動物園に行った。昼になるとお弁当を広げる場所を探すのが大変だった。ポッカリと空いていたのはアメリカバイソン舎の横。強烈な牛糞臭に苦笑いしながらおむすびを食べたことを思い出す。

 今年で開園50周年。完成当時123種371点だった動物達は、約160種700点まで増えた。2013年にはリニューアル事業が完了。「猛獣館299」や、「ふれあい動物園」等が加わった。

 ゴールデンウィーク中は、8時の早朝開園に合わせ、動物たちが寝室から放飼場へ出る姿や朝ごはんを食べる様子が観察できる「朝の動物園」が開催されるほか、「日本平動物園 伝説のスターたち」(6月30日まで)と題し、同園を支えてきた動物たちが大型パネルで帰ってくる。

 自宅で一枚のモノクロ写真を見つけた。鹿の顔出しパネルから顔を出しているのは当時小学生だった、初孫のお父さん。園内に唯一残る開園当初からの獣舎は赤い屋根の「ダチョウ舎」。ゾウ舎も大部分は開園当時のままだという。孫と一緒に昔を探しに出かけてみたい。

BayPRESS 866号 /2019年04月13日発行

山積する課題どう解決 丁寧な市政運営を望む

 静岡市長選挙は田辺信宏氏が三選を果たした。山積する課題をどのように解決していくのか、その手腕を見守りたい。

 まず、県と市の対立。この状況が続けば市民の損失は計り知れない。まずは田辺市長自ら関係修復に全力を挙げていただきたい。「2年後の県知事選挙で、県知事を変える」との勇ましい声も聞かれるが、そのような姿勢では対立はますます激しくなる。

 次に、財政。人口減少が進み税収は減少する。財源確保が難しくなる一方で、少子化対策、高齢者対策などに費用はかさんでいく。加えて、歴史文化施設や清水庁舎、水族館を核とする海洋拠点施設の建設など、大規模建設投資が目白押しだ。「公共投資を呼び水に民間投資を促す地域活性化策」と言うが、どのような民間投資が可能になるのか、具体的提示が求められる。

 最後に、桜ヶ丘病院と清水庁舎の移転建設。選挙戦を通じ反対の声が多いことに改めて気づいたはずだ。特に、桜ヶ丘病院については、どのような病院ができるのか、用地交渉はどうなるのか、救護病院の機能は果たせるかなどすべてが不透明だ。力で押せば反発は強くなる。丁寧な市政運営を望みたい。

BayPRESS 865号 /2019年03月23日発行

市民の声に耳傾ける市長に 区の骨格の可否決める選挙

 4年に一度の静岡市長選挙は、3月24日告示、4月7日投開票される。今のところ現職を含む3名が立候補を予定している。
 現職2期8年の実績に対する評価とともに、清水の将来を誰に託すのか大切な選挙となる。それぞれの候補の政策を見極め、真剣に考えたいと思う。 

 選択の基準はそれぞれ、年齢や環境によって異なると思うが、目先だけでなく、今の子どもたちが孫を抱く時代にまで思いを巡らせ、各候補の政策を評価していただきたい。

 清水区では、津波浸水想定区域への桜ヶ丘病院の移転、新清水庁舎の建設、日の出地区への海洋拠点施設の建設と、次期市長の任期4年間で、少なくとも今後60年余の区の骨格が決まる。

 大型の建設投資が計画される中で、静岡市全体では、人口減少、少子高齢化で財政は一層ひっ迫していく。人口減少を食い止めるための子育てしやすい制度・環境の整備、そして、高齢者や障がい者はどうなるのか…。

 次期市長には市民の声に真剣に耳を傾ける候補になっていただきたい。
 前回選挙の投票率は48.46%。清水区民の約半数が棄権した。

BayPRESS 864号 /2019年03月09日発行

できるなら教会残したい 意見異なれど思いは同じ

 前号で「建て替えか存続かカトリック清水教会」の見出しで掲載した記事に、たくさんのご意見をいただきました。

 記事では同教会の文化財価値が高いこと、そして建築技術においても、現代では再現性が難しい匠の技が駆使されていること。
 そして、教会の信徒たちの間では「建て替えを」という意見がある一方、「補強修繕して存続しよう」との意見もあり、教会内では建物の今後の在り方について、様々な議論が重ねられてきました。

 ここで大切なことは、「建て替えを」と考える信徒たちも、「存続を」と話す信徒たちも、幼いころからこの双頭の教会に通っていた方々ばかり。「できることなら存続したい」と願う気持ちは同じだということ。

 課題は、人々が使う信仰の場として、地震などに対しどのようにして十分な安全性を確保するのか。そして、そのためにかかる費用はどの程度か、信徒たちの間で不安と悩みが交錯していたのも頷けます。

 最終的には横浜司教区の決断となるようですが、どちらの結論が出るにせよ、区民の一人として温かく見守っていきたいですね。

BayPRESS 863号 /2019年02月23日発行

賑わい創出に区役所 不安とツケは残すな

 市議会で新会派「創成静岡」を結成した。メンバーは交渉会派の要件を満たす4名。議会運営委員会への出席や代表質問権も与えられた。議会の常識に縛られることなく、市民意識を大切に活動したい。

 結成のきっかけとなった「清水庁舎移転反対」請願は7,116筆の署名を持って提出されたが、15日に開催の総務委員会では不採択となった。

 移転問題は建設検討委員会で2年をかけ議論されたが、津波浸水想定地域に防災拠点機能を持たせた庁舎を移転することの是非、財政状況が一層厳しくなる中で85憶円という建設規模の妥当性、区役所に賑わい創出は期待できないという検討委員会からの指摘。加えて、公有地の有効利用からも、近い将来、賑わいの拠点となるエリアの中心に、役所を建ててよいのか疑問も残る。

 そして、築36年が経過した現庁舎の改修検討は十分だったのか。既成事実の積み重ねで事が進んでいくことに不安を感じる。

 リスク管理の可点からも、災害・財政面で希望的観測が入り混じる事業実施は、再検討するのが当然。災害の不安と、ツケは次世代に残してはいけないと思うのだが…。

BayPRESS 862号 /2019年02月09日発行

増加するクルーズ客船 関連産業の育成急務

 清水港は、開港120周年を迎える。今後も増加していく客船の寄港数を、どのようにして町の賑わいに結び付けるのか、ハード・ソフトを含めた整備が急がれている。

 昨年、清水港に寄港したクルーズ船は33隻。台風の影響もあり前年には及ばなかったが、今年は38隻を予定。今後、清水港の客船寄港数はのびていくことが確実視されている。 

 県はアジア最大のクルーズ船運営会社「ゲンティン香港」と、旅客ターミナル等の整備に関する協定締結。ハード面の整備が完了する予定の20年には53回約16万人、30年までには105回約47万人の寄港を目指している。

 これまで、多くのクルーズ旅客が富士・山梨方面へのオプショナルツアーに参加する一方、商店街など地元への経済効果は限定的だった。

 静岡市ではクルーズ船乗客の市内回遊トライアル事業として、観光案内ブースでの民間企画の個人向けツアー紹介、商店街までのシャトルバスの運行、駅前銀座では着物着付け体験、地酒マルシェなどの事業を実施している。

 モノへの消費から「コト(体験型)消費」が注目されている。市はクルーズ関連産業の育成に一層力を入れるべきだ。

BayPRESS 861号 /2019年01月26日発行

住み続けたいは5割 若者の声に耳を傾けて

 平成31年度市民意識調査の結果が公表された。市内全域18歳以上の男女3千人を無作為抽出し1,416人が回答した。市民満足度に関する調査で気になる傾向が浮き彫りになった。

 まず、『市政の運営』に関心を持つ市民は平均で71%。特に10代で高く92%だった。
 自然環境などを理由に『これからも静岡市に住み続けたい』と思う市民が87%だったのに対し10 代は 50%と最も少なかった。

 次に、『子育てしやすいまち』だと思う市民は 53%だが、子育て世代の30代ではそう思うとそう思わないが41%で同数。世代別で最も多かった。

 また、市が主要施策として掲げる『大規模な国際会議など、多くの集客交流が見込まれるビジネスイベント( MICEマイス)が推進されているまち』だと思っている市民は12%で、思っていないは 73%だった。

 静岡市の人口が再び減少に転じた。昨年は一昨年に比べ3.892人の減。過去最高の下げ幅だという。
 人口の流出抑制と定住人口を増やす施策が急がれる。しかし、このままでは若年層の静岡離れは一層進むのは確実だ。何を望み、何を望んでいないか耳を傾けて欲しい。