プリズム

このまちの未来について、風間しげきが思うことを綴っていきます。皆様のお声もぜひ、お聞かせください。

BayPRESS 872号 /2019年07月27日発行

民主的な市政運営望む 庁舎移転に市民意向調査

 6月定例市議会が閉会した。総括質問では田辺市長に「新庁舎建設は市民の過半数の理解が得られていると思うか」再三訊ねたが、田辺市長からの答弁はなかった。

 今回の市長選挙では投票総数の過半数を得ることができなかった。庁舎移転に関する静岡新聞社の調査では反対が賛成を上回った。加えて、市がこれまで行ってきたタウンミーティングや、市民アンケート、パブリックコメントの結果などを見ても、十分な市民理解が得られているとは言い難い。

 多くの市民の理解を得ながら市政運営を行うことは、市長が市行政を預かる上においての基本。今回の質問は民主的な市政運営を求められる市長に、その見解を問うものだった。

 市長はこれまで「市民の代表たる議会に判断してもらう」と発言してきたが、市民理解が得られているとは言い難い事業の可否を、議会に丸投げするとしたら無責任極まりない。

 行政の責任者として議会への関連議案の上程前に、早急に市民説明会を開催し、市民の意見を集約。必要があるとするなら計画を見直し、改めて住民投票、もしくは、それに準ずる市民意向調査を行う必要があると思う。

BayPRESS 871号 /2019年07月13日発行

駿河湾フェリーが駅直結 駅東に賑わい生む施設を

 日の出埠頭にあった駿河湾フェリー発着場が、2022年までに江尻地区移転、清水駅に直結する事が決まった。朗報だと思う。活用の仕方によっては、県外から多くの観光客を呼び込むことができる。

 清水庁舎移転問題の一つが市有地の有効利用だ。夕刻からは明かりが消え、週末には扉を閉ざしてしまう、賑わいの拠点とはなりえない大きなビルを、JR清水駅に直結する玄関口に建設して良いのか。

 市はこれまで、この地域に商業施設等の誘致を考えてきた。当然のことだと思う。しかし、一向に進まなかった。人口減少が進む地域で、駅に近いだけでは訴求力が弱かった。結局「庁舎ぐらいしかない」との結論に達したのだろう。

 しかし今、駿河湾フェリーの発着場の建設や、市長が公約したサッカー場の建設など、近い将来、この地域の環境は大きく変わる。駅東の市有地は幸運にも残された。市外、県外から多くの人を呼び込み、賑わいを生む商業施設等の誘致にこそ取り組むべきだ。

 市が日の出地区で計画が進める水族館施設も候補の一つ。庁舎と共に計画が進んでいるが、遅くはない。絵柄の違うジグソーパズルを、次から次と、力でねじ込んだとしても将来の姿は見えてこない。

BayPRESS 870号 /2019年06月22日発行

スタジアム建設最優先! 複合型でまちに賑わいを

 エスパルスが横浜F・マリノスに3対2で逆転勝利。最下位を脱出した。選手たちの意地、サポーターの熱い想いを肌で感じることができた。

 当日は雨。家内と久しぶりの観戦。試合前、楽しみだったスタジアムグルメは通路の隅で味わった。時折激しくなる雨と風に体が冷えた。お年寄りや女性にとっては、決して楽な観戦とは言えない。

 静岡市が所有するスタジアムは開場して約30年が経過。途中大規模改修も行われたが、「観客席全てに屋根をかけること」「洋式トイレの設置」など、Jリーグのクラブライセンス施設基準は満たしていない。

 2014年、エスパルスが「近い将来、クラブ存続も危ぶまれる」として、新スタジアム建設要望書を田辺市長に手渡したが動きはなかった。

 4月に行われた選挙戦で市長は建設に向けた姿勢を明確にした。「清水駅近辺」と特定した場所は民間企業が所有。市財政も今後一層厳しくなるが、何より優先して着手すべき事業だと思う。

 コンサートやイベントなど様々な目的で使用できる複合型スタジアムの建設こそ、確実にまちの賑わいに結びつく。市長には早期に事業の具体化を。サポーターや区民、経済界の応援も不可欠だ。

BayPRESS 869号 /2019年06月08日発行

「パ・タ・カ・ラ」で口の運動 要介護にならないために

 ①一年間で体重が4~5キロ減った②疲れやすくなった③筋力(握力)が低下した④歩くのが遅くなった⑤身体活動力が減った。当てはまる項目が多いほどフレイルの疑いが高まる。フレイルとは健康な状態と要介護状態の中間、虚弱を意味する。

 「We Love Teeth 歯っぴい噛む噛む8020(一面参照)」に参加した。清水歯科医師会が、歯の衛生週間にあわせて開催する恒例の事業。改めて口の健康を保つことの大切さを実感した。

 要介護状態を防ぐ「3つの柱」は「運動」「食生活」「社会参加」と言われている。いつまでも、健康で楽しく過ごすためには多少の努力が必要。今からでも決して遅くない。

 食生活に関連する歯と口腔の状態が悪化すると、栄養をとりにくくなったり、誤嚥性肺炎を起こすなど、全身の健康にも確実に悪影響を及ぼす。 歯磨きや定期的な歯科検診などとともに、飲み込む力の衰えを意識的に防ぐことも大切。紹介していただいた、高齢者にお勧めの口腔体操の一つが「パ・タ・カ・ラ」。しっかりと発音することで口の周りの筋肉や舌の機能アップにつながるとのこと。

 口腔フレイルについては歯科医院で気軽に相談を。

BayPRESS 868号 /2019年05月25日発行

市民説明と対話必要 庁舎移転で反対過半数

 もし誰かに買い物を頼んだとする。買ってきてくれた物の中に、お願いした物と違う高価な物が入っていたらどうするだろう…。
 
 投票率は下降傾向にある。政治の質が低いから選挙に行かないという声も聴かれるが、政治への関心が薄いところで質の高い政治が育つわけがない。政治とは税金の使い道を決めることに他ならない。
 
 概算事業費約90億円、津波浸水想定区域内に移転する計画の清水庁舎について、静岡新聞が静岡市長選挙の期日前投票の出口調査を行った。 清水区では「反対」33.2%、「どちらかというと反対」が17.5%、合計50.7%と半数を超えた。「賛成」「どちらかと言えば賛成」は27.8%だった。(静岡新聞4月12日付朝刊)

 移転について反対する市民8団体は14日、田辺市長に話し合いを求める要望書を提出した。回答は28日。

 市長は、定例記者会見で市長選挙の結果を踏まえ「(市民に)伝わっていなかったという思い。きちっと丁寧に説明する必要性を感じている」と発言した。

 清水庁舎の移転については納税者である市民の考えと、行政の方針が異なる可能性が高い。要望に沿った丁寧な説明と対話が求められる。

BayPRESS 867号 /2019年04月27日発行

GWは初孫と動物園へ 顔出しパネルとダチョウ舎

 我が家のゴールデンウィーク、最大のイベントは初孫が初めて遊びに来ること。

 子どもたちが小さい頃、よく日本平動物園に行った。昼になるとお弁当を広げる場所を探すのが大変だった。ポッカリと空いていたのはアメリカバイソン舎の横。強烈な牛糞臭に苦笑いしながらおむすびを食べたことを思い出す。

 今年で開園50周年。完成当時123種371点だった動物達は、約160種700点まで増えた。2013年にはリニューアル事業が完了。「猛獣館299」や、「ふれあい動物園」等が加わった。

 ゴールデンウィーク中は、8時の早朝開園に合わせ、動物たちが寝室から放飼場へ出る姿や朝ごはんを食べる様子が観察できる「朝の動物園」が開催されるほか、「日本平動物園 伝説のスターたち」(6月30日まで)と題し、同園を支えてきた動物たちが大型パネルで帰ってくる。

 自宅で一枚のモノクロ写真を見つけた。鹿の顔出しパネルから顔を出しているのは当時小学生だった、初孫のお父さん。園内に唯一残る開園当初からの獣舎は赤い屋根の「ダチョウ舎」。ゾウ舎も大部分は開園当時のままだという。孫と一緒に昔を探しに出かけてみたい。

BayPRESS 866号 /2019年04月13日発行

山積する課題どう解決 丁寧な市政運営を望む

 静岡市長選挙は田辺信宏氏が三選を果たした。山積する課題をどのように解決していくのか、その手腕を見守りたい。

 まず、県と市の対立。この状況が続けば市民の損失は計り知れない。まずは田辺市長自ら関係修復に全力を挙げていただきたい。「2年後の県知事選挙で、県知事を変える」との勇ましい声も聞かれるが、そのような姿勢では対立はますます激しくなる。

 次に、財政。人口減少が進み税収は減少する。財源確保が難しくなる一方で、少子化対策、高齢者対策などに費用はかさんでいく。加えて、歴史文化施設や清水庁舎、水族館を核とする海洋拠点施設の建設など、大規模建設投資が目白押しだ。「公共投資を呼び水に民間投資を促す地域活性化策」と言うが、どのような民間投資が可能になるのか、具体的提示が求められる。

 最後に、桜ヶ丘病院と清水庁舎の移転建設。選挙戦を通じ反対の声が多いことに改めて気づいたはずだ。特に、桜ヶ丘病院については、どのような病院ができるのか、用地交渉はどうなるのか、救護病院の機能は果たせるかなどすべてが不透明だ。力で押せば反発は強くなる。丁寧な市政運営を望みたい。