このまちの未来について、風間しげきが思うことを綴っていきます。皆様のお声もぜひ、お聞かせください。
BayPRESS 932号 /2022年05月28日発行
牛や豚の飼料の高騰で肉類も値上げ、大好きなカップラーメンも同様、原油価格が上がれば燃料もあがり海産物だって値上がりへ。コロナの感染拡大への不安が薄らぎつつある中、ロシアのウクライナ侵攻による物価の上昇は食卓を直撃しています。
景気の先行きへの不透明感は企業の間でも高まっています。特に、関連企業のすそ野が広い建設業界では、中国経由の木材がストップし、国産材も合板も値上がりするなど危機感を募らせています。
このような状況下で、行政の公共事業も入札の不調が目立っていますが、市民生活に密着する事業の遅滞は許されません。道路橋梁や上下水道の整備、教育や福祉等事業については、資材単価の見直しや工期の十分な確保などが急務となっています。
一方、ここで気になるのが海洋文化施設の建設事業。総事業費240億円、このうち市税負担は170億円。事業規模が大きいことから、建設や運営に係る予算への影響が懸念されます。こちらは資材単価の見直しを…、とはいかないでしょう。一旦凍結し、状況を見極める必要がありそうです。
BayPRESS 930 931号 /2022年04月23日発行
なぜ、静岡市政は頑なに市民の声を聞こうとしないか。また、『自分たちの事を決めてくれる人』が集まる「議会の判断」と、世論調査などによる「自分たちの判断」が異なるのはどうしてでしょう。
『執行機関が強力であることは(中略)行政機関は当事者である住民の声を聞く必要がないばかりか、その声は「民主的プロセス」を阻害するノイズにさえ扱われてしまう』 (多数決を疑う 社会的選択理論とは何か=坂井豊貴著 岩波新書)
「市民の代表たる議会の多数決による賛同」があれば、例えそれが市長の独善的な判断であっても「民主的手続きを経た」という外套をまとうことができます。
問題は民主的プロセス。議会判断と民意が異なる原因の一つが会派拘束。議会で集約された議員の意思は「市民の意向」か、それとも所属する「会派の意向」なのかという点です。議員の意思が真に市民に忠実であれば、集約された「議会の判断」は「市民の判断」と大きく異なるはずがありません。
国政と違い多様な市民市民生活に密着した市政の場、会派によって足並みが揃う事のほうが不自然だと思いますが、いかがでしょうか。
BayPRESS 929号 /2022年03月26日発行
市議会2月定例会が閉会。海洋文化施設の建設に係る事業費170億円含む議案が、賛成多数で可決されました。
議案にはサッカースタジアム建設に関わる事業費1200万円も含まれ、事業手法の調査検討などが行われます。
田辺市長は会見で手法を問われ「公民連携の形でのぞみたい」との考えを明らかにしています。
「公民連携」のモデルとして建設されたのが「パナソニックスタジアム吹田」、収容人員は4万人。
吹田市は「建設費を寄付金だけで賄う」との条件で建設用地選定などを支援。総建設費140億円は、経済界からの寄付99億円、個人からの寄付6億円、助成金35億円で賄われました。
新スタジアムの候補地については「ENEOS遊休地が有力」とする田辺市長。富士山、駿河湾、駅直結。コンサートなど、様々なイベントが楽しめる複合スタジアムができれば宿泊、飲食、買い物など、海洋文化施設以上の波及効果が期待できるはずです。
市財政は今後、硬直化が一層進みます。 期待を寄せる経済界の寄付だけで建設できるのか。市は不足分を補う意思があるのか。市の姿勢が問われています。
BayPRESS 928号 /2022年03月12日発行
凍結されていた海洋拠点施設建設事業が動き始めました。
展示コンセプトは駿河湾。入場料は大人1500円、子供料金750円。入館者数は初年度67万人、15年間で700万人を見込んでいます。 新年度予算には入館料収入を除く15年間の運営費70億円(年間4億6千万円)と、建設費100億円の計170億円を計上。建設費はマリナートの約76億円を抜き合併後最大規模。
経済界の強い要望もあり、「公共投資を呼び水に民間投資を促す」と意気込む田辺市長。しかし、周辺開発に係る民間投資の計画は不透明。また、大規模改修等、長期的な収支予測の説明も不十分です。
本市の財政は今後、人口減少にともなう税収減と、福祉関連費用の増大により硬直化が懸念されます。加えて、歴史博物館(46億円)、静岡市民文化開館改修費(160億円)など、大型建設事業がほぼ同時にスタート。新規事業には選択と集中が強く求めらます。
清水区ではサッカースタジアム建設計画も始動。水族館との複合化を含め、どちらに財源を集中するのか。
現下の社会情勢も踏まえ、慎重な検討が必要です。
BayPRESS 926 927号 /2022年02月26日発行
市民や企業に対し法令順守を求める市役所で、法令違反が相次いでいます。
総事業費約70億円。清水区の浸水対策として工事が進む高橋ポンプ場建設計画では、事前着工など2度にわたり法令違反が発覚。また62億円で建設が進む歴史文化施設でも同様の法令違反。いずれも追加工事の発生や、完成時期が遅れる可能性が出ています。
こんな時こそ、行政のトップとして倫理規範を説くべき市長ですが、来年の市長選挙で有権者になる高校生に、本人の似顔絵入りマスクを配布したことが全国ニュースに。さらに、職員には「会食は家族や日頃行動をともにする少人数に限る」としながら、本人は県外の知人等と飲酒を伴う会食で感染。意識の緩みが指摘されています。
開会した2月定例市議会冒頭、田辺市長は施政方針で「市民の命と暮らしを守るため、引き続き感染防止や経済回復に全力を尽くす」と意気込みました。
相次ぐ法令違反と規範意識の緩み。ネット上には多くの批判が寄せられ、市政への信頼が大きく揺らいでいます。
次回は、日の出地区に建設予定の水族館建設事業を取り上げます。
BayPRESS 925号 /2022年01月29日発行
2022年初春。皆様はどのようにお過ごしでしたか。
私は、元旦早朝の所属分団の出初め式でスタート。岡八幡神社に初詣の後、管内で無火災祈念放水。 3日は母校野球部の現役激励試合を参観。試合後、侍ジャパンの岩崎優投手が、サプライズ登場。持たせて頂いた金メダルは、重さ以上に重く感じました。
清々しい新年になりましたが、心はどこか落ち着きません。オミクロン株の拡大で自治会も活動を自粛。飲食店など商店・企業も休業や廃業するところが増え、歴史ある商店街組織も休止や解散を余儀なくされそうです。
地域コミュニティ崩壊の危機。防止策を徹底、地元から経済を回していくことが重要です。コロナ禍でも仕事やボランティア活動に懸命に取り組む人たちを、ベイプレスは全力で支えていきます。皆様の支援もお願いいたします。
一方、市行政では厳しい財政状況にありながら、大型建設事業計画が復活する兆しです。無駄遣いはないか厳しい目でチェックしていきましょう。
明るい話題を積極的に取り上げていきます。身近な情報をお寄せください。
がんばろう清水!
BayPRESS 923 924号 /2022年01月01日発行
「撤退されないように…」。
桜ヶ丘病院のJR清水駅東口公園への移転について、田辺市長と、この計画に賛成する議員達は口をそろえる。今議会には、市が所有するJR清水駅東口公園と病院側が所有する大内新田の土地交換議案が上程された。議会最終日の採決では、賛成多数で採決される可能性が高い。議会は正式に移転計画を認めることになる。
田辺市長は、移転先は病院が選んだと話すが、この一連の計画をリードしてきたのは明らかに田辺市長だ。病院側にとって、建築費の2割を津波対策に割かなければならない危険な場所への移転は本望ではないはずだ。
疑問や矛盾は積み残されたままだ。
市と議会は、病院側が望んでいた経営が安定する場所と災害時医療が両立する場所につい真剣に議論してきたのか。この議決で清水庁舎は移転先を失うが、移転理由とした「一刻の猶予もない」耐震性能の問題はどこに消えたのか。さらに、「津波発生時でも病院は機能する」という、田辺市長の危機管理能力に、災害対策を任せる事ができるだろうか。
市長も議員も説明責任が問われている。