プリズム

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BayPRESS 923 924号 /2022年01月01日発行

疑問や矛盾を積み残したまま 桜ヶ丘病院の移転計画可決へ

 「撤退されないように…」。

 桜ヶ丘病院のJR清水駅東口公園への移転について、田辺市長と、この計画に賛成する議員達は口をそろえる。今議会には、市が所有するJR清水駅東口公園と病院側が所有する大内新田の土地交換議案が上程された。議会最終日の採決では、賛成多数で採決される可能性が高い。議会は正式に移転計画を認めることになる。

 田辺市長は、移転先は病院が選んだと話すが、この一連の計画をリードしてきたのは明らかに田辺市長だ。病院側にとって、建築費の2割を津波対策に割かなければならない危険な場所への移転は本望ではないはずだ。

 疑問や矛盾は積み残されたままだ。

  市と議会は、病院側が望んでいた経営が安定する場所と災害時医療が両立する場所につい真剣に議論してきたのか。この議決で清水庁舎は移転先を失うが、移転理由とした「一刻の猶予もない」耐震性能の問題はどこに消えたのか。さらに、「津波発生時でも病院は機能する」という、田辺市長の危機管理能力に、災害対策を任せる事ができるだろうか。

 市長も議員も説明責任が問われている。


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