プリズム

このまちの未来について、風間しげきが思うことを綴っていきます。皆様のお声もぜひ、お聞かせください。

BayPRESS 814/815号 /2016年12月17日発行

紙面編集にも新陳代謝 J1復帰で躍進の年に

清水区民にとって、今年一番の明るい話題はエスパルスのJ1復帰。この勢いに乗って、新たな年を躍進の年に。

さて、あっという間の一年。年をとるほど一年が早く感じるのはなぜでしょう。分子生物学者福岡伸一氏は「年齢とともに新陳代謝のスピードが衰え、体内時計の秒針は遅くなる。実際の時計はいつも同じ速さで進むから、気が付いたらもう一年が経っていたということになる」といいます。

新陳代謝とは古いものが新しいものに次々と入れ替わること。人間の体は新陳代謝をしておよそ3か月で生まれ変わるといわれています。しかし、このサイクルは年齢とともに遅くなり、例えば皮膚の場合、20歳代では28日周期なのに対し、50歳代では75日周期になってしまうとこのと。

新しいものを取り入れるためには、一方で古いものや考えを捨てることが大切。

ベイプレスは来年創刊37年。過去にとらわれず、新たな気持ちで紙面を編集していきます。「日々是新(ひびこれあらた)」 スタッフ一同新たな気持ちで新鮮な生活情報をお届けできるよう努力してまいります。

BayPRESS 813号 /2016年12月03日発行

重傷者を津波浸水想定地域へ 病院側の良識ある判断に期待

4日は地域防災の日。岡地区連合自主防災会(堀谷一世会長)の訓練では二中グラウンドと岡小体育館を訓練会場に、小中高生を含む2,120名の参加を予定。初期消火、炊き出し、救護、水槽操作まで、幅広い訓練を行う。

今年は日本列島いたるところで大きな揺れに見舞われた。11月22日には福島県沖を震源とする最大震度5弱の地震が発生。津波警報が発令され約51万人に避難指示・勧告が出された。川を逆流する津波の映像、繰り返し避難を呼びかけるTVアナウンサー。6年前の恐怖が頭をよぎった。

まずは、家屋や家具の倒壊から自らの身を守ること。水や食料、着替えの準備も必要だ。次に、避難所での助け合い。そして、最後に公的機関の援助。自助、共助、公助それぞれの機能が連携し、初めて被害は最小限に抑えられる。

しかし、重傷・重病者は一刻も早く公的病院の助けが必要となる。

田辺市長は救護病院である桜ヶ丘病院の移転候補地の一つに、津波浸水想定地域の清水庁舎の場所を挙げた。市長の言う「災害に強いまちづくり」とは何か。病院側の良識ある判断を期待したい。

BayPRESS 811号 /2016年11月05日発行

清水に職人気質がずらり 念入りに納得できるまで

先週末、清水駅東口イベント広場で行われた清水職人まつりの反省会に参加しました。主催は清水建設産業組合(神谷明宏組合長)。同組合は清水で活躍する家造りの職人集団。基礎工事から、屋根、骨組み、内装、家具、外壁、風呂、畳、石材と11の職種で構成され、小人数では難しい安全への取り組みや、技術の向上、後継者の育成など集団の力で支えあう組織です。

自分の技能を信じて誇りとし、納得できるまで念入りに仕事をする実直な性質のことを職人気質(かたぎ)といいます。最近、聞かなくなった言葉ですが、この組合にはそんな人たちが、ずらり…、しかも…、話が面白い…。区内には住宅関連の仕事をする会社が数多くあり、それぞれの技能に誇りを持つ、そんな職人たちが深く関わっています。

新築やリフォーム、あるいは修繕にしてもまとまったお金が必要になります。そんな時はぜひ、清水に根を下ろし誠実に仕事をする職人たちの存在を忘れずにいてほしいと思います。

ベイプレスでは地元の工務店や職人さんを応援するコーナーを企画、掲載していきます。お楽しみに。

BayPRESS 810号 /2016年10月22日発行

好奇心や想像力を伸ばす教育 先生方に責任と自信、余裕を

岡小学校のゲストティーチャーとして3年生に「小さな発見」について話した。「私の友人T君は、大学生に動物や魚が住む環境について教える偉い先生だ。小学生のころ、一緒に大沢川で小魚などを取って遊んだ。その時好きだった遊びが今のT君の仕事に結びついている」。そんな昔話しを中心に、身の回りの小さなことにも興味を持つ楽しさを話したが、伝わったかどうか。

子どもたちは話の内容より、資料を映すために使ったパソコンや機材に興味があった。スクリーンで影絵遊びをする子、レーザーポインターで遊ぶ子、パソコンの画面を覗きにくる子…。驚くほどの好奇心と行動力、そして瞬時に遊びを作り出す想像力には感心した。身の回りの小さなことに興味を持つ楽しさは、彼らのほうが十分に知っている。後輩たちのそんな光景がとても頼もしく思えた。

先月、小6と中3を対象に行われた全国学力テストの結果が発表された。結果は良好との報告だ。ただその一方で、教育現場がテスト対策に振り回されていないだろうか。先生方が責任と自信、余裕をもって接することができる環境も守らなくてはいけない。

BayPRESS 809号 /2016年10月08日発行

重大な決定を他人任せに 病院移転は自らの考えで

「なれ合いや根回しで事を丸く収めるのではなく、都民の前で決定過程をつまびらかにする」。小池百合子東京都知事は所信表明でこう語った。そして「知事にも都議にも職員にも公僕の精神が求められる。公の意識を持たない者が個のために公益をねじ曲げてはならない」と強調した。

さて、桜ヶ丘病院の移転問題。清水庁舎と桜が丘公園とどちらが最適か。残念ながら田辺市長は、明らかにすべき過程を踏まなかった。清水区の将来を決める重大な決定過程を、他人任せにするという決定をした。

運営母体の理事長に対し、市長名でどのような公文書を手渡したのか。一連の経過を含め、当局から議会へ正式な説明はない。一体、どこで、だれと、このような筋書きを描いているのだろう。

もし、移転先を清水庁舎に決めれば、必然的に庁舎は解体。清水駅東口公園への移転計画が一気に現実味を帯びる。

田辺市長の思惑通りかもしれないが、それで良いのか?なぜ、自らの考えを自らの言葉で話せないのか。決定過程の説明責任を果たさない限り、公益をねじ曲げていると言われても仕方がない。

BayPRESS 807号 /2016年09月10日発行

前例主義は無責任の連鎖 市長は率先し意識改革を

9月定例市議会が始まる。補正予算に加えて決算審査、そして総括質問の準備と慌ただしい。

人口減少が進む。全国津々浦々、地方自治体はその対策に躍起だ。しかも本市はそのスピードが早い。将来推計で2025年に約65万人、2040年に約56万人まで減少する。

この流れを食い止めるべく、田辺市長は「2025年総人口70万人の維持」を掲げた。他市と同じことをやっていたのでは目標の達成はあり得ない。まずは、全庁一丸となってその目標に進むべきと思うが、緊張感は感じられない。

前例主義があらゆるところに顔を出す。市議会でもたびたび指摘される問題だ。機能を失った前例の踏襲は、「無責任の連鎖」そして「保身の現れ」にほかならない。まずは意識改革が急務だ。
本来は率先して行政の風土を変えるべき市長が、最近その風土に埋没しているように思えてならない。

総括質問は議員一人三回の質問(登壇)が許されるが、市長答弁は原則一回目の最初だけ。「以下は局長に答弁させます」が慣例だ。他市に例はない。まずは議会答弁から変えてはいかがだろうか。

BayPRESS 805号 /2016年08月06日発行

病院と庁舎移転とLNG火発 海洋拠点構想との整合性は?

23日、桜ヶ丘病院の移転を考える会と市側との会合は最終局面を迎える。同会は田辺市長に出席を求めたが、他の公務との調整がつかず欠席だという。

津波浸水想定区域で、災害対策本部を置くことさえ危ぶまれた清水庁舎を、なぜ候補地として残すのか。病院移転で周辺に賑わいが生まれるというが、どういうことか。

その前に、現庁舎はどこへ、どのような形で移転するのか。水面下では清水駅東口公園に移転、高層マンションと一体的に建設し、その借地料で庁舎建設費を賄うという計画が動き出している。しかし、その隣接地では国内最大級の火力発電所の建設計画が進行中だ。計画に支障はないのか。

過日、市長は地元経済団体主催の講演で「日の出地区の企業跡地を取得しアクアリウム施設(水族館)を建設。同地区を世界レベルの海洋文化拠点にするする」と話したという。港周辺の開発と海洋研究と人材育成、それに観光を結び付けようという構想だ。

市の構想と、これら一つ一つの問題との整合性をどう考えているのか。市長は市民の不安と疑問に直接答えるべきだと思う。