プリズム

このまちの未来について、風間しげきが思うことを綴っていきます。皆様のお声もぜひ、お聞かせください。

BayPRESS 807号 /2016年09月10日発行

前例主義は無責任の連鎖 市長は率先し意識改革を

9月定例市議会が始まる。補正予算に加えて決算審査、そして総括質問の準備と慌ただしい。

人口減少が進む。全国津々浦々、地方自治体はその対策に躍起だ。しかも本市はそのスピードが早い。将来推計で2025年に約65万人、2040年に約56万人まで減少する。

この流れを食い止めるべく、田辺市長は「2025年総人口70万人の維持」を掲げた。他市と同じことをやっていたのでは目標の達成はあり得ない。まずは、全庁一丸となってその目標に進むべきと思うが、緊張感は感じられない。

前例主義があらゆるところに顔を出す。市議会でもたびたび指摘される問題だ。機能を失った前例の踏襲は、「無責任の連鎖」そして「保身の現れ」にほかならない。まずは意識改革が急務だ。
本来は率先して行政の風土を変えるべき市長が、最近その風土に埋没しているように思えてならない。

総括質問は議員一人三回の質問(登壇)が許されるが、市長答弁は原則一回目の最初だけ。「以下は局長に答弁させます」が慣例だ。他市に例はない。まずは議会答弁から変えてはいかがだろうか。

BayPRESS 805号 /2016年08月06日発行

病院と庁舎移転とLNG火発 海洋拠点構想との整合性は?

23日、桜ヶ丘病院の移転を考える会と市側との会合は最終局面を迎える。同会は田辺市長に出席を求めたが、他の公務との調整がつかず欠席だという。

津波浸水想定区域で、災害対策本部を置くことさえ危ぶまれた清水庁舎を、なぜ候補地として残すのか。病院移転で周辺に賑わいが生まれるというが、どういうことか。

その前に、現庁舎はどこへ、どのような形で移転するのか。水面下では清水駅東口公園に移転、高層マンションと一体的に建設し、その借地料で庁舎建設費を賄うという計画が動き出している。しかし、その隣接地では国内最大級の火力発電所の建設計画が進行中だ。計画に支障はないのか。

過日、市長は地元経済団体主催の講演で「日の出地区の企業跡地を取得しアクアリウム施設(水族館)を建設。同地区を世界レベルの海洋文化拠点にするする」と話したという。港周辺の開発と海洋研究と人材育成、それに観光を結び付けようという構想だ。

市の構想と、これら一つ一つの問題との整合性をどう考えているのか。市長は市民の不安と疑問に直接答えるべきだと思う。

BayPRESS 803号 /2016年07月09日発行

白血球も尿酸値も高いね~ 手遅れになる前に健康診断

議会質問を前にした、先々週の土曜日。朝起きたら喉が痛い。「根性で治るだろう」と思ったのも束の間、鼻水が「つつ~っ」。慌ててクリニックへ。 「あ~、喉チン○が真っ赤だね~。痛いね~」と先生。採血したばかりのデーターを見て「ほら、白血球高いね。闘いは始まったばかり。応援の薬を飲もう」と元気づけてくれる。席を立とうとしたら「あれっ、尿酸値も高い。一週間試しに薬出しとくよ」と追加のダメだし。

ガラガラ声と微熱はそれから2~3日続いた。質問日の前日に何とか体調が戻り、原稿が仕上がったのが当日の午前2時。「もしあの時、根性に頼っていたら」と考えたら、背筋が寒くなった。しかも、議場では年下の議員が初の痛風発作で苦しんでいた。内心冷やり…。「議会終わったら検診受けなきゃ」。

議会では「健康寿命を延ばすための政策」を議論。各種検診の受診率向上に向け、行政のお尻を叩いているというのに。

手遅れになる前にまずは健診。勤務先等で受診機会のない人の、骨粗しょう症などの各種検診の相談は 健康づくり推進課

BayPRESS 802号 /2016年06月25日発行

桜ヶ丘病院はどこへ 反感買う頑な姿勢

静岡商工会議所公表の1~3月期の景気動向は全業種で悪化。「需要の停滞」「利用者ニーズの変化への対応」が経営上の課題となっている。

企業のステークホルダー(利害関係者)とは従業員、顧客、取引先や株主等である。従業員とは理念が合致しているか。時とともに変化する顧客の要求に柔軟に応えられているか。また、取引先とは連携強化が進んでいるか。その結果、業績と株主へ利益配分が決まる。

行政の最も大きなステークホルダーは市民。本市行政にこの意識が徹底されているとは思えない。特に幹部職員の頭が固い。万事が前例主義。「法令順守」と言えば恰好はいいが、時としてその頑な姿勢が市民の反感を買う。

救護病院でもある桜ヶ丘病院の移転先二案。市の姿勢は「清水庁舎は津波浸水区域内だが街の賑わいが期待できる」。一方の「桜が丘公園内は安全だが法令上の問題等がある」と否定的だ。これに対し周辺住民は「法令順守より人命優先。街の賑わいを病院に求めるのは非常識」と声をあげる。

日本各地で不気味な揺れ。度重なる震災の教訓を得てなお、市民の声に心から応えようとする姿は見えてこない。

BayPRESS 801号 /2016年06月11日発行

市議会は無駄な存在!? 議会改革は待ったなし

「燃えろよ燃えろ あーかーぐーみー」「 僕らは白い稲妻…」。小学校の運動会。元気いっぱい大きな声で歌う新一年生、上級生のリードが頼もしい。この子たちが成長し、安心して暮らせるまちを創らなければと改めて思った。

作家村上龍氏の書籍「13歳のハローワーク」。「子供たちが好奇心を大切にし、好きな職業を早い時期に選ぶことができれば」という思いで幻冬舎より出版され、ベストセラーに。
2005年に公式サイトが立ち上がり、今では月間800万ページビューを超える。5月、同サイトで検索された将来なりたい職業のトップは「金融業界で働く」。政治家は、なんと91位だった。

政治不信は高まる一方だ。地方議会もご多分に漏れず。昨年3月、武蔵野市で「市議会の廃止」が一般市民から提出された(産経新聞5月29日付朝刊「にっぽん再構築・地方議会が危ない」)。「執行部案をただ通すだけの無駄な存在」というのがその理由だった。
果たして、このまちの市民は静岡市議会をどう見ているのだろうか。質問のあり方、情報の公開と共有。議会改革は待ったなしだ。

BayPRESS 800号 /2016年05月28日発行

活力ある清水創出へ 今号で紙齢800号

ベイプレスは、今号で紙齢800号を迎えます。前身である清水リビング新聞の創刊は1981年9月26日。多くの読者、スポンサー様に支えられ、大きな節目を迎えました。心より感謝申し上げます。

創刊以来、徹頭徹尾地域密着主義を貫いてきました。少子高齢化が進む「まちづくり」には温かなコミュニティの存在が不可欠です。今後とも様々な活動を積極的に取材し、フレッシュで信頼性の高い生活情報を提供していきます。

また、全ての人に優しい「清水」を目指し、障がい者の活動もサポートしていきます。
活力ある清水の創出を目指し、今一度原点へ。そして、紙齢900号に向けスタッフ一同力強く第一歩を踏み出します。引き続きご愛読、ご活用賜りますようお願い致します。

【経営理念】
一、私たちは人と人とをつなぐ企業として「地域に密着」し清水とともに発展していきます。
二、私たちは「頼りになる企業」を目指し、いかなる時にも「誠実」に行動していきます。
三、私たちは全ての出会いに「学ばせていただく」という謙虚な姿勢でのぞみ、日々人間力を高めていきます。

BayPRESS 799号 /2016年04月23日発行

南海トラフへの影響懸念 災害への備えを最優先に

14日に発生した熊本地震は気象庁の予測を超えるものとなった。つい先ほどまで談笑していた家族や知人が一瞬で帰らぬ人に。住み慣れた我が家、街の光景が地響きとともに崩れ落ちていく。被害に遭われた方々、また、避難所で不便な生活を余儀なくされている方々に心から哀悼の意とお見舞いを申し上げたい。

時間とともに被害は広がっていく。気象庁は「経験則が通じず、今後の地震予測は困難。地震拡大については過去にない」と話した。巨大津波などを引き起こす南海トラフ地震への影響にも警戒が必要とする専門家もいる。言うまでもなく、この地震が発生すれば、清水区は甚大な被害を被る。不安を煽るようで辛いが、災害は「備えあれど憂いあり」といわれる。家庭の防災対策を再確認して頂きたい。

さて、田辺市政は今回の地震の教訓をどのようにいかすだろうか?さし迫って重要な課題は災害救護病院である桜ヶ丘病院の移転問題だ。もはや軽々に津波浸水地域にある「清水庁舎が最有力」とはいえないだろう。桜が丘公園を含む候補地選定について「災害への備え」を最優先に柔軟かつ迅速な検討を望みたい。