プリズム

このまちの未来について、風間しげきが思うことを綴っていきます。皆様のお声もぜひ、お聞かせください。

BayPRESS 827号 /2017年07月22日発行

お盆と「タギーへの手紙」 ちょっぴり悲しくなったら

盆の入りで迎え火を焚いて、送り火で霊を送る。故人の霊魂があの世を行き来する「精霊馬」(しょうりょううま)を供える。ご先祖様は今年も、迎え火を目印に、精霊馬に乗って来てくれたのかな。

「命って何? 死って何? どうして小さな子どもたちが死ななければいけないの?」。

エリザベス・キューブラー・ロスを知ったのは最近のこと。精神科医であり『死ぬ瞬間』の作者。ホスピス運動の発展に大きな役割を果たした。

『ダギーへの手紙』(佼成出版社)は、末期癌に侵された9歳の少年タギーが書いたロスへの手紙。この本は、少年への返事を元に書かれた。

「この世でやらなければいけない事を全部できたら、私たちは体を脱ぎ捨てることが許されるのです。その体はまるでサナギが蝶々を閉じ込めているように私たちの魂を閉じ込めているの」と語るロス。

「そして、ちょうどいい時期が来ると、私たちは体から出て自由になれるのです。もう痛いこともなく、怖がることもなく、悩むこともない」と…。

この時期になると、亡き肉親や友人との楽しかった思い出とともに、後悔や自責の念もよみがえり、ちょっぴり悲しくなったりする。名著だと思う。訳は、アグネス・チャン。


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