プリズム

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BayPRESS 809号 /2016年10月08日発行

重大な決定を他人任せに 病院移転は自らの考えで

「なれ合いや根回しで事を丸く収めるのではなく、都民の前で決定過程をつまびらかにする」。小池百合子東京都知事は所信表明でこう語った。そして「知事にも都議にも職員にも公僕の精神が求められる。公の意識を持たない者が個のために公益をねじ曲げてはならない」と強調した。

さて、桜ヶ丘病院の移転問題。清水庁舎と桜が丘公園とどちらが最適か。残念ながら田辺市長は、明らかにすべき過程を踏まなかった。清水区の将来を決める重大な決定過程を、他人任せにするという決定をした。

運営母体の理事長に対し、市長名でどのような公文書を手渡したのか。一連の経過を含め、当局から議会へ正式な説明はない。一体、どこで、だれと、このような筋書きを描いているのだろう。

もし、移転先を清水庁舎に決めれば、必然的に庁舎は解体。清水駅東口公園への移転計画が一気に現実味を帯びる。

田辺市長の思惑通りかもしれないが、それで良いのか?なぜ、自らの考えを自らの言葉で話せないのか。決定過程の説明責任を果たさない限り、公益をねじ曲げていると言われても仕方がない。


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