プリズム

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BayPRESS 915 916号 /2021年07月24日発行

問答無用で危うい市民の命 静岡市の常識は世の非常識

 6月定例市議会が閉会した。

 桜ヶ丘病院の移転計画について、市に説明責任等を求めた市民団体の請願書は不採択となり、創生静岡より提出された、移転関連予算の減額を求める修正動議も否決された。

 田辺市長は、桜ヶ丘病院の移転に関する総括質問にも一切答えなかった。

 市長は「一日も早く清水区の不安定な医療提供体制を改善することが大切」と話すが、「危険な場所への移転」を肯定する理由にはならない。また、「清水は海とともに発展してきた」ことも事実だが、商業施設と病院を同じ賑わい施設として位置付ける考えには賛成できない。

 建て替え時により安全な場所への移転を考えるのが世の常識なら、静岡市の常識は非常識。しかも、市が津波浸水深想定区域への移転の前提としてきた、ヘリポート設置は病院側に断られ、防潮堤の完成時期も不明、加えて、津波発生から3日間とした道路復旧の期間も根拠が無いに等しい。

 議会は議論するところ。議論の中で問題点が浮き彫りになり、対策に知恵を出すことで政策は磨かれていく。問答無用、議会も追認では市民の命が危うい。


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