活動報告

静岡市議会議員として、市民の代表として。

2017.12.06

11月定例市議会質問骨子

厳しい財政見通し
市民不在の庁舎・病院移転
市民アンケート「NO」過半数

12月5日に行われた総括質問では、①今後の大規模投資と財政見通しについて ②清水港海洋文化拠点施設構想について ③清水庁舎の移転位ついて ④桜ヶ丘病院の移転ついて の4項目について質問しました。

厳しい台所事情
大規模事業も目白押し

2040年には約56万人にまで減少することが予想される本市の人口。公共施設の老朽化も一気に進み、このままの状況では、年間あたりの維持更新費の不足額は192億円にまで拡大。中期見通しでも「各年度の財源不足額は62億から72億円に達する大変厳しい状況にある」との答弁でした。
一方、今後想定される大規模投資には清水区では清水庁舎関連で60億円から80億円。海洋文化拠点施設の整備に60億円から100億円。サッカースタジアムの建設計画が実施段階に入れば、さらに、巨額の投資が必要になるほか、葵区でも歴史文化施設に約60億円、複合アリーナでも数十億円など大規模投資が予定されています。

賑わいもたらす施設に
清水港海洋文化拠点構想

構想によると、目指す施設イメージに「海洋・地球に関する総合ミュージアム」を掲げ、水族展示と海洋地球展示が融合した総合的な海洋展示を行うこととしています。
しかし、日本では水族館は飽和状態。一般的に水族館の収益は施設の規模に比例すると言われています。選択と集中で、同施設が清水区および静岡市全体に真の賑わいをもたらす施設になることを期待する一方、次世代に負担を残すことがないよう、慎重に検討するよう要望しました。

2000人市民アンケート
庁舎移転に否定的意見過半数

清水庁舎の移転については9月、清水区に居住している18歳以上の市民から2000名を無作為抽出し市民アンケートが実施されました。回答数は839件、回答率は42%。また、839件の回答のうち426件の意見が寄せられました。
個人的な主観もあるかもしれませんが、清水庁舎への移転の賛否を集計したところ、清水庁舎をJR清水駅東口公園に移転することに肯定的な意見が146件、否定的な意見が185件、その他が95件でした。また桜ヶ丘病院に関する意見も数多く見られ、そのほとんどが反対意見でした。

どこで誰が方針決定
病院なければ現庁舎改修か

庁舎をJR清水駅東口に移転・新築するという方針はいったい誰がどこで、どのような検討を行って決断したのか。大規模改修か建て替えか、この判断はとても重要で、他市の事例においては、外部の専門家等で構成された検討委員会を設置し評価検討を行うか、あるいは市民参画のもとで検討委員会を設け議論を重ねていくのが一般的です。
また、現庁舎は構造体の劣化は進んでおらず耐用年数は十分にあると考えるのが普通で、市役所機能の集約や桜ヶ丘病院の移転という田辺市長の政治的判断がなければ移転建て替えより耐震・大規模改修を選択するパターンだと考えられます。

判断に政治的・法的責任
初期治療の遅れで死亡も

平成24年8月、復興庁より東日本大震災における災害関連死に関する報告が出されました。実数は同年3月31日現在で1,632名。そのうち「病院の機能停止による初期治療の遅れ等」が約2割を占めています。災害時における救急医療体制の維持が極めて重要であることを指摘しました。
南海トラフで30年以内にマグニチュード8以上の巨大地震が発生する確率は70%(内閣府)。しかし、答弁にはまったく緊張感が感じられず残念でした。
桜ヶ丘病院が清水庁舎の場所に移転することによって、病院は今より多くの収益を得るかもしれませんが、その一方、災害時にはその影響によって区民の命が失われる可能性があります。
病院の機能喪失で、入院患者、あるいは、負傷者が死亡した場合、その危険が指摘されている以上、田辺市長ほか関係した幹部職員には、政治的責任はもちろん、法的責任を問われる可能性が十分あることを肝に銘じていただきたいと思います。


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