静岡市議会議員として、市民の代表として。
2017.07.22
7月19日(水)から21日(金)まで熊本から阿蘇へ会派視察を行いました。目的は熊本地震後の対応と病院の災害対策について。特に阿蘇医療センターへの視察は、桜ヶ丘病院の移転、特に災害医療を考える際とても参考になりました。
同病院の前身は昭和25年設立の阿蘇中央病院。平成25年に新病院の本体工事が始まり、同26年8月に124床を有する阿蘇医療センターとして開院しました。新病院は鉄筋コンクリート造で外来棟は耐震構造、中央診療棟と病棟は免震構造。また、屋外には救急ヘリ離発着場を有し総事業費は約49億円。
熊本地震の発生は2016年の4月14日と16日。震度7の地震が立て続けに2回発生。また、震度6以上の地震が7回発生。観測史上例を見ない地震となりました。
この時、威力を発揮したのが免震構造。地震に対する建築工法は「耐震」「制震」「免震」と大きく3つに分けられます。 耐震構造は壁や柱を強化したり、補強材を入れることで建物自体を堅くして振動に対抗する工法。制震構造は建物内にダンパーと呼ばれる振動軽減装置を設置し、地震のエネルギーを吸収。建物に粘りをもたせて振動を抑える工法。そして、免震構造は建物と地面の間に免震装置を設置。建物を地面から絶縁して、振動を伝えない工法です。
「特に、病院においては精度の高い医療機器が多いため免震が最適が最適だということが実証されました。院内の医療機器は全く被害を受けなかった。」と、同病院の甲斐病院長。また、ヘリポートについては「屋上ヘリポートの場合は、建物自体に相当の強度を持たせることが必要なうえ、気象条件によっては全く使用できない場合がある」とのことでした。
桜ヶ丘病院の移転については、災害対策を万全にと胸を張る田辺市長。しかし、その具体的内容は何も決まっていません。清水庁舎の跡地という市民の公有財産を移転用地とする以上、災害に強い病院の中身についても十分な説明が必要です。
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