プリズム

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BayPRESS 962号 /2024年05月25日発行

余震で大破 でも安心して?  清水庁舎の耐震診断 結果公表

 市長定例記者会見で清水庁舎の第三段階目の耐震診断結果が公表された。

 「第一震では『中破』程度の被害だが、その後の余震で『大破』に至り安全確保が困難になる」その一方で「巨大地震でも第一震では建物は大破に至らないため、現時点では物の落下や 転倒への備えは必要だが安心して利用できる」とした。今年度中に移転を含め方針を決定するという。

 明日起きても不思議ではない地震。しかも同庁舎は津波浸水想定区域に位置する。立地上の脆弱性を考えると「第一震で中破、余震で大破」なら、職員や来庁者は確実に逃げ場を失う。「現時点で安全」とはどういう意味か。

 腹落ちしない会見だった。相反する「危 険」と「安全」が並立。さらに、新たな疑問も生じた。同庁舎は構造上、揺れる事で地震力を吸収、「大破」には至らない設計で建設されているはずだ。その事は考慮されているのだろうか。

 難波市長は「補強には相当の予算」がかかるとの見通しも明らかにした。全てが事実なら、浸水想定区域外への移転計画に着手すべきだ。

 耐震診断は補強か 移転かを考える際の重要な要素となる。しっかりと検証していきたい。


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