プリズム

このまちの未来について、風間しげきが思うことを綴っていきます。皆様のお声もぜひ、お聞かせください。

BayPRESS 897号 /2020年09月26日発行

診断法の限界と不可解な点 現清水庁舎建設時の思い⑤

 耐震診断には、一次、二次、三次診断があり、一般的に、 一次は簡易な診断、二次は校舎など鉄筋コンクリート造向きの診断。三次は現庁舎のような鉄骨鉄筋コンクリート造向きの診断といわれる。

 現清水庁舎には二次診断が用いられた。市は「県基準では原則二次診断で良いとしている」としているが、現清水庁舎のような特殊な構造の場合には、適切な評価をするよう求めている。

 「二次診断で清水庁舎の耐震性能を表すには限界がある」と前出の建築士。

 「例えば、現清水庁舎は地層と133本の基礎杭、地下室が制震装置として働く設計となっているが、二次診断ではこの部分が考慮されない」

 耐震診断の報告書にも、二次診断の結果と、詳細な診断の結果は異なる可能性があると記されている。

 建築士はさらに、二次診断そのものにも不可解な部分があると話す。「一階部分の地震に耐える力を示す数値が設計図書の数値に比べあまりにも小さすぎる。この数値では中規模の地震でも壊れてしまうことになる」

 耐震診断の目的は何だったのか。現清水庁舎の設計責任者からも、より詳細な診断を望む声が聞かれた。続


記事の一覧へ