このまちの未来について、風間しげきが思うことを綴っていきます。皆様のお声もぜひ、お聞かせください。
プリズム一覧へ
BayPRESS 919号 /2021年04月10日発行
巣立ちの春。知人の娘さんが大学進学で清水を離れることになった。お母さんは娘さんに「家計も厳しい。今後は何かあっても親を頼らないように」と通帳を手渡した。幼稚園に入ったころから、娘さんと一緒に銀行に行った。頂いたお年玉やお祝いは全て貯金した。
誰から頂いたものか、小さな文字で名前を記した。多くの方々に育てられた感謝の気持ち。そしてお金の有難さ。お母さんは「子供たちが一日も早く自立することが、一番の願い」だと話した。
我が家に生まれた三羽の雛。二羽はそのまま大きな雛として今も巣の中にいる。その昔、真ん中の一羽が進学で県外へ巣立った時には心にぽっかり穴があき、なにも手がつかなくなった。「空の巣症候群」…。
放っておいても子供は勝手に育つという人もいる。各家庭によって子や親の性格、育て方も異なる。
ただ、一つ言えるのは、子を思う親の想いはいつまでも変わらないということ。
巣立ちの春。特に親元とを離れる若鳥達には、親への感謝を忘れず、自由に大空を飛び、多くの出会いを通して経験を積み、大きく成長し帰ってきて欲しい。
記事の一覧へ